【未解決の背景】丁寧に話を聞くと病院は赤字に 認知症や精神の病を持ち、そのことで疲弊する本人や家族は多い。抱える課題は複雑で、簡単には解決しない。解決には長い時間が必要である。 精神科へ行けばどうにかなると思って訪れても、課題を解決してくれるような場ではないと気付かされる。それは医療側に時間がないからだ。病院は長く丁寧に話を聴くと、赤字になるのである。 病院に勤める精神科医は、1人当たり6分で診療しなさいといわれてしまう。本人や家族が何を期待しているのかは置き去りにされ、病状のみで病名が付き、あとは薬を処方されるだけ。複雑に絡み合った生きづらさについて、精神医療が十分にアプローチできていない。それは精神医療へのアクセスができていないのと同じである。