「当事者」だから言える!女子受験生差別の罪

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編集部から〕この連載では、医学部学士編入試験に挑戦した1人の受験生(元Medical Tribune社員)の体験を紹介しています。いったん社会に出てから医師を目指す思いを綴りながら、学士編入の実態に迫りました。今回が最終回になります。

女子差別が発覚しなければ私は不合格?!

 医学部に合格していろんな人から祝福の言葉をもらいましたが、その中で心に残っているものがあります。「あなたが受験する前に女子受験生差別問題が発覚してよかったね。運がいいね」という言葉です。

 このときは「そうかもね」と答えたのですが、心の中にもやっとした気持ちが確かに残りました。「女子受験生差別が発覚せず、従来のままだったら、減点されて、私の実力では合格できなかったってことかな...」と思ったのです。ひねくれた捉え方かもしれませんが、「あなたが合格できたのは、差別を是正し、女性を積極的に合格させなければいけないという時流のおかげ」と言われたような気持ちになったのです。

 自分としては強い気持ちを持って、できる限りのことはやったから合格できたと思っていたのに、医学部受験を取り巻く環境のおかげで運よく受かったと言われた気がして、少し悲しくなりました。

 でもそのとき同時に、「もしかしたら、自分が女性差別の当事者になった可能性も十分にあったのか」と気付き、はっとしました。

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