筋線維の変性・壊死を主な病変として、筋力が徐々に低下する進行性の難病である筋ジストロフィー。さまざまな病型がある中で、最も患者数が多いデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対し、今年(2020年)5月、疾患の原因となる遺伝子の働きを抑えることで、筋機能の改善が見込める核酸医薬ビルトラルセン(商品名ビルテプソ)が発売された。ビルトラルセンの開発に携わった国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター長の小牧宏文氏に、同薬の登場の意義や臨床に及ぼすインパクト、核酸医薬への期待について聞いた。