近年の日本のインフルエンザ動向を振り返ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)出現直後の20/21シーズン、続く21/22シーズンには影を潜めたが、22/23シーズン以降は流行が戻ってきた(関連記事:今冬のインフルエンザ動向を「超」早読み)。23/24シーズンは流行の規模が22/23シーズンより大きく、特徴として22/23シーズンの終盤(2023年7~8月)まで小規模な発生が続き、収束しないまま23/24シーズンに入り、9~10月から流行が拡大し始めるという経緯があった。これまでシーズン到来前の夏に流行動向を予測・的中させてきた筆者にとっても24/25シーズンの予見は難しいところであるが、23/24シーズン以上の流行になる可能性もあると思われる。本稿では、日本の24/25シーズンの流行動向を早読みするとともに、対策面としてワクチンおよび抗インフルエンザ薬、特にバロキサビル(商品名ゾフルーザ)の最新知見について解説したい。