日本サノフィは11月22日、抗CD38抗体イサツキシマブ(商品名サークリサ点滴静注)について、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)から造血幹細胞移植が適応とならない未治療の多発性骨髄腫(MM)治療薬として承認勧告を受けたと発表した(関連記事「新規抗CD38抗体が多発性骨髄腫に奏効」)。 今回の勧告は、造血管細胞移植の適応とならない未治療のMM患者が対象の第Ⅲ相試験IMROZに基づくもの。同試験では標準療法であるボルテミゾブ+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法(VRd)群に比べ、VRd+イサツキシマブ併用療法群で無増悪生存(PFS)の有意な改善が示された。なお、イサツキシマブの新たな安全性の懸念は認められなかった。 承認の可否は今後数カ月以内に決定される見込みだ。承認されれば、イサツキシマブは欧州において造血管細胞移植適応とならない未治療の成人MM患者に対し、VRdと併用する初の抗CD38抗体薬となる。