ダラツムマブ、未治療の多発性骨髄腫などに対し3試験で良好な成績

ヤンセンファーマ

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 ヤンセンファーマは昨日(12月23日)までに、ダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ・アルファ(遺伝子組換え)ベースのレジメン(D-VRd療法)により未治療の多発性骨髄腫患者の微小残存病変(MRD)陰性率で良好な結果が得られたなどとする3件の臨床試験を公表した。いずれも今年(2024年)の米国血液学会(ASH)での口頭発表によるもの(関連記事「多発性骨髄腫、治療継続のポイント」)。

 1件目のCEPHEUS試験は、移植非適応または初回治療として造血幹細胞移植が適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、D-VRd療法の有効性と安全性をVRd療法と比較する、現在進行中の多施設共同、無作為化、非盲検、第Ⅲ相試験。最新解析の結果、追跡期間58.7カ月(中央値)で全MRD陰性率および持続的MRD陰性率(完全奏効以上を達成した患者において感度閾値はいずれも10-5および10-6)が改善し、無増悪生存期間(PFS)が有意に改善した。

 2件目のAURIGA試験は、未治療の多発性骨髄腫に対するフロントラインの自家造血幹細胞移植後もMRD陽性の18~79歳の患者を対象としたもの。維持療法として、ダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ・アルファ(遺伝子組換え)1,800mgをレナリドミド(経口投与)と併用(日本未承認)し、1サイクル28日として、最大36サイクル皮下投与。対照群にはレナリドミド(経口投与)単剤を、1サイクル28日として最大36サイクル投与した。事後解析では、試験対象の維持療法レジメンであるダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ・アルファ(遺伝子組換え)+レナリドミド(R)療法により、12ヵ月後のMRD陰性率が一貫して改善した。これらの結果は、自家造血幹細胞移植後もMRD陽性だった抗CD38抗体薬による治療歴のないすべてのサブグループにおいて一貫していた。

 3件目のANDROMEDA試験は、未治療の全身性ALアミロイドーシス成人患者に、ダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ・アルファ(遺伝子組換え)をボルテゾミブ+シクロホスファミド+デキサメタゾンと併用するD-VCd療法の安全性と有効性をVCd療法と比較する、現在進行中の第Ⅲ相、無作為化、非盲検試験。最終解析の結果、D-VCd療法は、より深くかつより迅速な血液学的奏効をもたらし、未治療の全身性ALアミロイドーシス患者の全生存期間(OS)と主要な臓器機能低下-PFS(MOD-PFS)が有意に改善した。D-VCd療法群では、進行または死亡のリスクが56%低下〔ハザード比(HR)=0.44、P<0.0001〕。また、D-VCd療法群ではVCd療法群と比較して死亡リスクが38%低下し(HR=0.62、P=0.0121)、生存期間の有意な改善が示された。

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