T-DXd、Dato-DXdの臨床試験最新データをASCO 2025で発表

第一三共

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 第一三共は本日(6月3日)までに、抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、商品名エンハーツ)および抗TROP2抗体薬物複合体ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd、商品名ダトロウェイ)について、各臨床試験における最新データを2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)年次総会で発表した(関連記事「エンハーツ、HER2陽性早期乳がんの術前療法で標準治療に勝る」「転移性乳がんへのDato-DXd、欧州でも承認」)。

 T-DXdについては、2つの臨床試験におけるデータを発表した。HER2陽性の進行性または転移性乳がん患者への一次治療を対象とした国際第Ⅲ相臨床試験DESTINY-Breast09の中間解析において、主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間の中央値は、標準治療群(タキサン、トラスツズマブ、ペルツズマブの併用療法、387例)の26.9カ月に対し、T-DXdとペルツズマブの併用療法群(383例)は40.7カ月だった。病勢進行または死亡リスクが44%低下し、有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。

 また、HER2陽性の胃がんまたは胃食道接合部腺がん患者への二次治療を対象とした国際第Ⅲ相臨床試験DESTINY-Gastric04において、主要評価項目である全生存期間の中央値は、ラムシルマブとパクリタキセル群の11.4ヵ月に対しT-DXd群は14.7ヵ月だった。死亡リスクが30%低下し、有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。

 Dato-DXdに関しては免疫チェックポイント阻害薬との併用療法について、3つの臨床試験におけるデータを公表。まず、Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん患者への一次治療を対象とした第Ⅰb相臨床試験TROPION-Lung02では、客観的奏効率がDato-DXdとペムブロリズマブとの2剤併用群(42例)で54.8%、Dato-DXdとペムブロリズマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群(54例)で55.6%だった。安全性についての新たな懸念は認められなかった。

 次に、第Ⅰb相臨床試験TROPION-Lung04では、Dato-DXdとPD-1/TIGITバイスペシフィック抗体rilvegostomigの併用群40例における客観的奏効率が57.5%(完全奏効1例、部分奏効22例)、病勢コントロール率が95%だった。安全性プロファイルは以前に報告されたデータと同様の傾向だった。

 術前・術後薬物療法を対象とした第Ⅱ相臨床試験NeoCOAST-2では、Dato-DXdとデュルバルマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群で、病理学的完全奏効率が35.2%、病理学的著効率は63%だった。安全性プロファイルは以前に報告されたデータと同様の傾向だった。

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