ダラツムマブ、未治療多発性骨髄腫で標準治療に優越

ヤンセンファーマ、ASCO 2025で第Ⅲ相試験データ発表

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 ヤンセンファーマは本日(6月17日)までに、ダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ・アルファ(遺伝子組換え)ベースのレジメン(ダラツムマブ+ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン、D-VRd)の有効性と安全性に関する新たなエビデンスを公表。未治療の多発性骨髄腫(NDMM)患者を対象に標準治療(VRd療法)とD-VRd療法を比較した第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験PERSEUSおよびCEPHEUSにおける良好な結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025、5月30日~6月3日)で報告したと発表した(関連記事:「ダラツムマブ、未治療の多発性骨髄腫などに対し3試験で良好な成績」)。

 PERSEUS試験では、自家造血幹細胞移植(ASCT)の適応があるNDMM患者を対象にD-VRdによる導入療法および地固め療法を標準治療と比較。解析の結果、中央値で47.5カ月の追跡期間において、12カ月経過時の深く持続的な微小残存病変(MRD)陰性率は標準治療群が29.7%、D-VRd群が64.8%と有意差が認められたオッズ比(OR)4.42、95%CI 3.22~6.08、P<0.0001〕。24カ月経過時の持続的MRD陰性率(10-5閾値)も順に22.6%、55.8%とD-VRd群で有意に良好だったOR 4.36、95%CI 3.15~6.05、P<0.0001)。D-VRd群では患者の3分の2以上が12カ月経過時で持続的MRD陰性を達成し、48カ月無増悪生存(PFS)は95.3%だった。

 CEPHEUS試験の事後サブグループ解析では、高齢かつ骨髄腫老年学的評価スコア(MGAスコア)でフレイルと判定された集団における標準治療群とD-VRd群を比較。中央値で58.7カ月の追跡期間において、MRD陰性率(閾値10-5)は順に39.3%、60.4%とD-VRd群で有意に良好で(OR 2.37、95%CI 1.47~3.80、P=0.0004)、54カ月経過時のPFSも48.0%、69%と有意差が示されたハザード比(HR)0.51、95%CI 0.35~0.74〕。全生存(OS)はD-VRd群で良好な傾向を示し(HR 0.66、同 0.42~1.03)、COVID-19関連死を除外した解析では有意差を示した同0.55、0.34~0.90)。

 両試験における安全性プロファイルは既報と一貫していた。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする