アステラス製薬は8月12日までに、ファイザーと共同開発中の抗Nectin-4抗体微小管阻害薬複合体エンホルツマブ ベドチン(商品名パドセブ)に関する新たなエビデンスを公開。同薬と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)の併用療法(EV+P療法)の有効性および安全性を検討する国際第Ⅲ相非盲検3群間ランダム化比較試験EV-303(KEYNOTE-905)の中間解析において主要評価項目と主な副次評価項目を達成したと発表した。(関連記事:「〔ASCO-GU 2025速報〕未治療進行尿路上皮がんへのパドセブに新規エビデンス」) 同試験の対象は、北南米・欧州・日本を含むアジアで登録されたシスプラチン(CDDP)不適応またはCDDPによる化学療法を拒否した筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者。術前術後の補助療法として、EV+P療法を施行するEV+P群、ペムブロリズマブ単剤群、手術単独群にランダムに割り付けた。主要評価項目は無イベント生存(EFS)、主な副次評価項目は全生存(OS)とし、手術単独群と比較した。 中間解析の結果、EV+P群はEFSおよびOSに関して有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。さらに、その他の副次評価項目とした病理学的完全奏効(pCR)率についても、手術単独群に比べて有意に良好だった。EV+P群またはペムブロリズマブ単剤群の安全性プロファイルは既報と一貫していた。 以上の結果を踏まえ、同社は「今後、学会などで発表するとともに、承認申請の可能性を検討するために規制当局と協議する予定だ」と説明。「CDDPを用いた化学療法に適応のあるMIBC患者における術前術後の補助療法としてのEV+P療法を評価する、第Ⅲ相臨床試験EV-304(KEYNOTE-B15)も現在進行中である。新たな治療選択肢を提供することで、アンメットニーズの高い膀胱がん治療にいっそう貢献していきたい」と展望している。