第一三共は昨日(9月29日)、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、商品名エンハーツ)の第Ⅲ相臨床試験DESTINY-Breast05において、主要評価項目を達成したと発表した。(関連記事「エンハーツ、日本で化学療法未治療のHER2低発現/HER2超低発現乳がんへの一部変更承認を取得」) 同試験は、術前療法後に乳房または腋窩リンパ節での浸潤性残存病変を有する再発リスクが高いHER2陽性乳がん患者1,635例を対象に、同薬の有効性と安全性をT-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)と比較するグローバル試験である。 主要評価項目である無浸潤疾患生存期間において、T-DM1投与群に対しT-DXd投与群は、有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。一方、副次評価項目である全生存期間は、中間解析時点で十分なフォローアップ期間に達していなかったため評価を継続する。安全性については新たな懸念は認められなかった。 結果の詳細は欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025)で公表される予定で、各国・地域の規制当局と共有するという。