住友ファーマは10月14日、開発中のメニン-KMT2A蛋白質結合阻害薬enzomenib(開発コード:DSP-5336)について、日本人の再発・難治性急性白血病患者において全体集団と同様に良好な安全性と有効性を示したと発表。結果の詳細は第87回日本血液学会(10月10~12日)で発表された。(関連記事「開発中の抗がん薬2剤、米国血液学会で臨床データ発表へ」) 同学会では、米国血液学会(ASH 2024)で発表されたenzomenibの第Ⅰ/Ⅱ相試験の新たな予備的な臨床データとともに日本人患者のデータを新たに抽出、解析した結果が口頭発表された。 安全性解析では、解析対象である急性白血病患者の全体集団(84例)と日本人集団のいずれにおいてもenzomenibの忍容性は良好で、同薬に関連する有害事象の発現率は全体的に低く、用量制限毒性(DLT)は認められなかった。分化症候群は全体集団の10.7%、日本人集団の13.6%で報告されたが、死亡例や同薬の中止に至るものはなかった。 また、用量最適化コホートにおけるenzomenib 200mg 1日2回投与群および300mg 1日2回投与群における予備的な有効性のデータも発表。このデータには、KMT2A遺伝子の再構成またはnucleophosmin 1(NPM1)遺伝子の変異を有し、enzomenibを少なくとも1回投与され、メニン阻害薬の治療を受けたことのない集団(全体集団40例、日本人集団12例)が含また。全体集団では、欧州白血病ネットワーク(ELN)-2017ガイドラインに基づく客観的奏効率(ORR)が62.5%(25/40例)、完全寛解+部分的血液学的回復を伴う完全寛解(CR+CRh)達成率は37.5%(15/40例)。日本人集団ではそれぞれ75.0%(9/12例)、41.7%(5/12例)だった。