日本イーライリリーは本日(10月27日)、日本人肥満症患者におけるGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名ゼップバウンド)週1回投与の有用性を検討した第Ⅲ相臨床試験SURMOUNT-Jにおいて、治療に伴う心理的側面を評価するインタビューの結果を発表。チルゼパチドによる薬物療法が、その後の食習慣の行動変容のきっかけとなる可能性が示唆されたと報告した。(関連記事「減量だけじゃない!ゼップバウンドの意義」) 今回の調査では、試験中および試験後の経験、体重や意識の変容、肥満症治療に対する要望などを把握することを目的に、72週の試験期間を完了し、かつ最終投与日から24カ月以内の参加者を対象に半構造化インタビュー(60分)を実施。回答者の傾向として、食嗜好の変化、意識的な野菜の摂取、カロリー表に基づいた食事の選択など、多様な食習慣の変化が認められ、その一部は試験後も維持されたことが明らかになった。 一方、試験後は44.8%が「運動を継続できなかった」と回答しており、チルゼパチドによる薬物療法が運動習慣の行動変容にはつながりにくい可能性が示された。その一方で、62.1%が「体重減少による前向きな気持ち」を経験しており、同薬による薬物療法が身体面だけでなく心理面においても前向きな影響を与える可能性が示唆された。 肥満症治療薬への要望としては、37.9%が「気軽に受診できる環境」、10.3%が「肥満症を治療できる診療科を知りたい」と回答しており、患者が必要な医療にアクセスできるような情報提供体制の構築および疾患啓発の重要性も認められた。 なお、結果の詳細は第46回日本肥満学会で発表された。