ギリアド・サイエンシズは昨日(11月6日)までに、抗TROP-2抗体薬物複合体サシツズマブ ゴビテカン(商品名トロデルビ)に関する新たなエビデンスを公開。抗PD-1/PD-L1抗体の適応とならない転移・再発のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の一次治療における同薬の有効性と安全性を検討した第Ⅲ相臨床試験ASCENT-03において、化学療法群と比べてサシツズマブ ゴビテカン群で有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存(PFS)の改善が認められたと発表した。(関連記事:「サシツズマブ ゴビテカン単剤療法、転移・再発TNBCで奏効」) intention-to-treat解析(両群279例)の結果、PFSは化学療法群の6.9カ月(95%CI 5.6~8.2)に比べ、サシツズマブ ゴビテカン群では9.7カ月(同8.1~11.1カ月)と有意に良好だった〔ハザード比(HR)0.62、95%CI 0.50~0.77、P<0.0001〕。客観的奏効率(ORR)はそれぞれ46%(95%CI 40~52%)、48%(同42~54%)奏効期間(DOR)は7.2カ月(同5.7~8.4カ月)、12.2カ月(同9.7~13.8カ月)だった。 安全性プロファイルは既報と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。治療下で最も多く発現したGrade 3以上の有害事象は、サシツズマブ ゴビテカン群では好中球減少症(43%)、下痢(9%)、化学療法群では好中球減少症(41%)、貧血(16%)だった。治療中断に至った患者の割合はそれぞれ4%、12%だった。 結果の詳報は欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025、10月17~21日)で発表され、N Engl J Med(2025年10月19日オンライン版)に同時掲載された。