小野薬品工業は本日(11月11日)までに、米・Vertex Pharmaceuticals Incorporated社と共同開発中のBAFFおよびAPRILに対するデュアル拮抗薬povetacicept(以下、povo)について、IgA腎症および原発性膜性腎症を対象とした第I/II相臨床試験RUBY-3の中間解析において良好な成績が示されたと発表した。結果の詳細は米国腎臓学会(ASN)Kidney Week 2025で報告された。 RUBY-3のIgA腎症コホート(21例)では、17例が48週間の評価を完了。48週時における主な有効性の結果は、尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)の24時間平均値がベースラインから64%減少、推算糸球体濾過率(eGFR)の変化量は3.3±3.1mL/分/1.73m2と安定し、血尿レベルが中等度以上だった患者の90%(9/10例)が血尿の改善を達成(血尿が陰性/少量に減少と定義)し、53%(9/17例)が臨床的寛解を達成(UPCR 0.5g/g未満、血尿陰性、投与前に比べeGFRの低下が25%未満と定義)した。 原発性膜性腎症コホート(10例)では、5例が48週間の評価を完了。48週時における主な有効性の結果は、24時間平均UPCRがベースラインから82%減少し、eGFRの変化量は-0.3±3.4 mL/分/1.73m2と安定しており、40%(2/5例)が臨床的な完全寛解を達成(UPCR 0.5g/g未満と定義)した。 Poveの安全性と忍容性はおおむね良好で、有害事象の多くは軽度/中等度であり、試験薬に関連する重篤な有害事象はなかった。安全性データはこれまでの中間解析の結果と一致しており、安全性プロファイルは両コホート間で類似していた。 なお、同薬は米食品医薬品局(FDA)からIgA腎症に対するブレイクスルーセラピー指定、原発性膜性腎症に対するファストトラック指定を受けている。