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JCR2016 第60回日本リウマチ学会総会・学術集会レポート

免疫抑制療法によるB型肝炎の重症化に注意

 免疫抑制療法によるB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化とB型肝炎の重症化については以前から問題になっていた。埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科教授/診療部長の持田智氏に、生物学的製剤(Bio)投与下のHBV再活性化、肝炎重症化の機序、対策の効果などについて解説してもらった。同氏は「HBVキャリアだけでなく、既往感染の有無を把握して治療を行うことが重要である」と述べている...

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外用、光線、内服、Bioが基軸の乾癬治療

 約10%の乾癬患者には関節炎を伴うリスクがあり、リウマチ医と皮膚科医の双方の診療協力が必要である。そのため、乾癬には専門性の高い診療レベルが要求される。そこで皮膚科医の立場から、名古屋市立大学加齢・環境皮膚科学教授の森田明理氏は、①外用治療、②光線療法、③内服療法、④生物学的製剤(Bio)治療など主な乾癬治療法を第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21~23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)のシンポジウム「強直性脊椎炎と乾癬性関節炎を正しく理解する」で概説した。同氏は「これら4つ治療法が基軸となって今後の治療が進歩していくだろう」と述べた...

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リウマチネットワーク 長野と秋田の取り組み

  関節リウマチ(RA)診療において、メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤(Bio)の普及に伴い、より専門性が要求されることや、副作用対策をはじめ全身管理が必要になっていることから、地域におけるネットワーク構築が重要視されている。第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21~23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)のシンポジウム「リウマチ診療の医療連携」では、全国の地域連携ネットワークの取り組みが報告された。その中から、長野県と秋田県の取り組みを紹介する...

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難治性血管炎で診療科・学会横断的取り組み

 中・小型血管炎の抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)や大型血管炎の治療に対し、診療科間あるいは学会間の横断型取り組みが望まれる。第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016、4月21~23日、会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)の...

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リウマチ医療連携の功罪

 開業医においては、病診連携によるメリットは多い。最近は情報通信技術(ICT)の利活用により情報格差が是正され、病院を補完する役割を担って地域医療に貢献できるようになった。ただし、1995年に指導大綱・監査要綱が策定された後も、指導・監査の影響と考えられる保険医の自殺が後を絶たない。栃木リウマチ科クリニック(宇都宮市)院長の篠原聡氏は「高額レセプトに起因した重点審査や個別指導が病診連携の妨げになるのではないか」と...

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AAアミロイドーシスの遺伝的3要因とは

 アミロイドA(AA)アミロイドーシスは慢性炎症性疾患に続発し、最近では関節リウマチ(RA)に続発する場合が多い。自治医科大学さいたま医療センターリウマチ膠原病内科教授の寺井千尋氏は、AAアミロイドーシス発症のリスクとなる3つの主な遺伝的要因について概説。また、日本人と欧米人ではリスク因子となる遺伝子に相違が見られることなどを...

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Bio投与下での結核重症化の陰にIRIS?

  地域医療機能推進機構(JCHO)東京山手メディカルセンター呼吸器内科の徳田均氏は「生物学的製剤(Bio)投与下で発症した結核の重症化は免疫再構築症候群(IRIS)の可能性がある。免疫抑制治療の中止は慎重に行うべき」と第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016、4月21〜23日、会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)の...

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無症状時からのRA治療開始を推奨―EULAR

 関節リウマチ(RA)は進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の脱臼や変形などが生じるため、無症状のうちに治療を開始することが重要である。RAの早期診断に関する指標や欧州リウマチ学会(EULAR)の推奨などについて,ドイツ・Charité - Universitätsmedizin BerlinのGerd R. Burmester氏が...

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Bioと新薬がAAアミロイドーシスでの悪循環を断つ

 生物学的製剤(Bio)の導入により関節リウマチ(RA)に伴うアミロイドA(AA)アミロイドーシスの発症頻度は低くなってきている。くまもと森都総合病院(熊本市)リウマチ膠原病内科部長の中村正氏は、今後は「Bioや新薬によりAAアミロイドーシスで見られる悪循環を要所要所のプロセスで分断する治療が進歩していくであろう」と...

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RAに低用量グルココルチコイドを推奨―EULAR

 関節リウマチ(RA)に対する低用量グルココルチコイド(GC)投与は安全で効果が高い治療法として推奨される。イタリア・Università di GenovaのMaurizio Cutolo氏が第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(4月21~23日、会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)のEULAR Sessionで低用量GC療法に関する欧州リウマチ学会(EULAR)の見解について述べた...

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合併症の存在がRAへのBio治療の障壁に

 過去15年ほどで飛躍的に治療成績が向上してきた関節リウマチ(RA)。同時に、次なる課題も見えてきており、第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21~23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)では、逼迫する医療経済問題や、"超早期"介入の検討など、国内外から報告が相次いだ(関連記事1,関連記事2)。東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター教授の山中寿氏は、同大が2000年から取り組んでいる大規模前向きコホートIORRA研究の結果から見えてきた課題の1つとして合併症について発表...

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RAはどのくらい早期に介入すべきか

 関節リウマチ(RA)において早期診断・早期介入による寛解が実現可能となる中、どれくらい早期に介入し、どのように確実な診断を付けられるか―。第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21~23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)のシンポジウム「Clinical advance and perspective for rheumatoid arthritis」にオランダ・Leiden大学のCornelia Allaart氏...

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Bio中断に伴う結核関連IRIS、Bio再開も対策

 生物学的製剤(Bio)治療中に発症した結核の治療に際して、Bioの中断により細胞性免疫能の回復を介した免疫再構築症候群(immune resonstitution inflammatory syndrome;IRIS)を来すケースがあるという。日本医科大学大学院呼吸器内科学分野の田中徹氏は...

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RA治療費の軽減に医師ができること

 2013年度の国民医療費は40兆610億円と,前年度に比べ8,493億円(2.2%)の増加が示された。医療財政を逼迫させる医療費の高騰には,関節リウマチ(RA)治療の目覚ましい進歩に貢献してきた高価な薬剤が少なからず影響しているという。そこで,第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21〜23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)では,「RA治療と医療経済」と題したシンポジウムを開催...

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ANCA関連血管炎,学会横断でGL普及に向けて

  抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)に関しては,異なる診療科が中心となって複数のガイドライン(GL)が策定されている。診療科間,学会間の整合性を図るために,厚生労働省難治性血管炎に対する調査研究班*1横断協力分科会*2は,日本リウマチ学会,日本呼吸器学会,日本腎臓学会の評議員を対象にGLに関する意識調査を実施。結果について...

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診療科横断型のANCA関連血管炎GL案 明らかに

 中・小型血管炎である抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)の治療には,多臓器病変に対して多くの診療科が関わる。そのため,AAV診療全体を包括したガイドライン(GL)が必要なことから,厚生労働省の難治性血管炎に関する調査研究班*,難治性腎疾患に関する調査研究班,びまん性肺疾患に関する...

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ステロイド・Bioでは要注意の「免疫再構築症候群」

 免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome; IRIS)は,免疫抑制状態から少し回復した際に日和見感染症を呈するのが特徴である。杏林大学名誉教授の塩原哲夫氏は,「日和見感染症であってもステロイドを中止するといった,これまでの常識的な対応は通用しない...

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脊椎関節炎,診療の混乱を正しく理解する

 脊椎関節炎(SpA)に関しては,2009年にAssesment of Spondylo Arthritis international Society(ASAS)から分類基準が提唱され,早期診断・治療が推奨された。しかし,誤診・過剰診断による不適切な治療が見られることが,米国リウマチ学会(ACR)から指摘された。順天堂大学教授で順天堂越谷病院内科科長の小林茂人氏は...

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軟骨減少を予見するMRI分析ツールを開発

 関節リウマチ(RA)の関節破壊を予測するのに,軟骨や滑膜の評価が有用である。東京大学22世紀医療センターでは,膝MRI画像からほぼ自動で軟骨・滑膜領域を抽出する定量計測用ICTツールを開発した。同センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任准教授の岡敬之氏は...

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生きた破骨細胞を解析,Bioの作用部位解明

 関節リウマチ(RA)治療で重要な点は,関節(骨)破壊の進展抑制である。骨破壊に関与する破骨細胞は,単球,マクロファージ系免疫細胞から分化する多核巨細胞であることから,"骨を食べることに特化したマクロファージ系免疫細胞"の動態を明らかにしたいところである...

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王道のMTXが禁忌のRA患者,治療オプションは?

 関節リウマチ(RA)の標準診療は,早期発見とアンカードラッグMTXを用いた早期介入であるので,MTX禁忌の患者への治療には苦慮するケースが少なくない。名古屋大学整形外科病院講師の高橋伸典氏は,「生物学的製剤(Bio)をアンカードラッグにするなど...

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学会展示で学ぶリウマチ学の発展

 第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016,4月21~23日,会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)は,4月22日正午現在で約5,000人が参加する中,リウマチ性疾患の診療に関する最新知見が続々と報告されている...

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第60回日本リウマチ学会が本日開幕

 本日(4月21日)から3日間にわたり,第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2016)が横浜市のパシフィコ横浜で開催される。メインテーマを「協調-60年の歴史を踏まえて」とし,特別シンポジウム3セッション,シンポジウム21セッションをはじめ,1,000演題以上の最新知見が報告される予定である。...

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第60回日本リウマチ学会・織田弘美会長に聞く

 開催が間近に迫った第60回日本リウマチ学会(JCR)総会・学術集会(JCR2016,4月21日~23日,横浜)。会長を務める埼玉医科大学整形外科学教授の織田弘美氏にJCR2016の見どころなどについて聞いた。メインテーマ「協調-60年の歴史を踏まえて」に込められた思いについては,"還暦"を迎えたJCRの60年を振り返ると,リウマチ性疾患の診療は他職種が関わるTotal Managementとして...

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JCR2016会場風景

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