第57回欧州糖尿病学会(EASD2021)レポート 「糖尿病治療の新時代」TOPページ 学会レポート一覧 <!-- 記事タイトル ★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要★冒頭文や概要... --> 早期からの厳格な血糖管理で網膜症を防ぐ --> 糖尿病網膜症の病因は高血糖の持続による血管障害であり、高血糖特異的な合併症である。1型糖尿病、2型糖尿病のいずれにおいても血糖値を早期に正常化できれば発症や進展を抑制できる。第36回日本糖尿病合併症学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8〜9日、ウェブ併催)で総合東京病院副院長/糖尿病センター長の柴輝男氏は、糖尿病合併症予防における血糖管理の重要性を示したエビデンスを紹介するとともに、糖尿病網膜症の発症および進展の抑制を念頭に置いた薬物治療について解説。早期からの強力な血糖管理療法の必要性をあらためて強調した。 インクレチン関連薬は合併症を防ぐか? --> 血糖依存性にインスリン分泌を促す消化管ホルモンのインクレチン。日本では現在、インクレチン関連薬として、インクレチンの分解を抑制するDPP-4阻害薬と、インクレチンの1つGLP-1のアナログであるGLP-1受容体作動薬が使用されている。糖尿病合併症、特に心血管合併症に関しては食後高血糖あるいは食後血糖変動が高いリスクとなることが示唆されており、この点でインクレチン関連薬による食後高血糖の是正作用が注目されている。岐阜大学糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学教授の矢部大介氏は、第36回日本糖尿病学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で、DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の糖尿病合併症に対するエビデンスをレビューした。 どう治療する?糖尿病患者の心房細動 --> 滋賀医科大学情報総合センター・医療情報部の教授で、循環器内科の診療を行う芦原貴司氏は、第36回日本糖尿病合併症学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で、糖尿病患者における心房細動の実状と課題をテーマに講演を行った。循環器内科医かつ不整脈専門医として不整脈診療に携わり、糖尿病患者の心房細動治療に関わることが少なくないという同氏が、糖尿病と心房細動の関連を示す最近の知見を紹介。また、糖尿病患者に対する心房細動治療の考え方を説明した。 SGLT2阻害薬は黄斑浮腫の治療薬となるか? --> 高血糖による慢性炎症で血管壁が損傷を受け、血管透過性が亢進して構造物の少ない黄斑部に浮腫を形成する糖尿病黄斑浮腫(DME)。治療は抗VEGF薬が中心だが、高価であり、頻回投与に反応不良な症例が一定数存在するなどの課題がある(JAMA Ophthalmol 2018; 136: 257-269)。そうした背景の下、SGLT2阻害薬のDMEに対する効果が注目されている。千葉大学糖尿病・代謝・内分泌内科診療講師の越坂理也氏は第36回日本糖尿病学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で、内科医の立場からDMEに対するSGLT2阻害薬の作用メカニズムを説明するとともに、目下、進行中のCOMET試験の近況を報告した。 糖尿病診療に対する内科医の心構え --> 糖尿病の患者および予備軍は増加の一途をたどっており、患者の治療モチベーション向上やチーム医療体制の整備、さらには合併症である細小血管障害や動脈硬化性疾患の発症・進展の阻止は重要な課題である。横浜市立大学大学院分子内分泌・糖尿病内科学教授の寺内康夫氏は、第36回日本糖尿病合併症学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で日本における糖尿病患者の現状や医療体制の課題について概説。また、慢性合併症の1つである糖尿病網膜症に関する日本発の研究を紹介しつつ、チーム医療や内科・眼科連携の重要性を訴えた。 合併症予防薬としてのSGLT2阻害薬に期待 --> 2型糖尿病患者が健康人と変わらない人生の達成を目指す上で、柱となるのは糖尿病合併症の予防である。SGLT2阻害薬は血糖降下にとどまらない多様な作用を有することが明らかにされており、糖尿病合併症予防において重要な役割を果たすと期待されている。北海道大学大学院糖尿病・肥満病態治療学分野特任教授の三好秀明氏は第36回日本糖尿病合併症学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で、大規模臨床試験や自身らの研究の結果を提示しながらSGLT2阻害薬をめぐる最新の話題を紹介。心・腎などに対する保護作用を有する同薬は、今後診療科を問わず使用が広がると考えられ、糖尿病専門医による適正使用の啓発が重要になるとの見解を示した。 世界糖尿病デー・イベントフォトレポート 世界糖尿病デーの前後では、ブルーライトアップなどさまざまなイベントが全国各地で展開されます。その模様を写真で紹介します。 --> 2021年度開催学会レポート一覧に戻る