尿路結石症における疼痛は患者にとって負担が大きい悩みの種。いつ発作に見舞われるのか予測できない点が、さらなる不安をかき立てる原因となります。また再発率が高いことでも知られ、10年で50%以上とのこと。いずれも関連する因子・バイオマーカーの探索が望まれています。今回は疼痛発作と再発予防の研究について取材しました。 結石再発を予測する新規バイオマーカー発見 尿路結石症は再発頻度が高く、再発率は5年で20%、10年で50%以上といわれている。再発の予測は予防的観点からも重要だが、精度の高い予測方法は確立されていない。大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻/名古屋市立大学大学院腎・泌尿器科学分野の田中勇太朗氏は、冷却による結晶化技術を用いて尿路結石症の再発を予測するバイオマーカーを探索。候補となる結晶成分を発見したと、第34回日本尿路結石症学会(8月30日~9月1日)で報告した。... 尿路結石症の疼痛発作、やはり暑さが関連? 尿路結石症における疼痛発作は気温との関連が示唆され、暑い季節または月に増加することが知られている。しかし、1日単位の気温や気温以外の気象因子との関連は十分に検討されていない。福島県立医科大学病院臨床研究教育推進部副部長の大前憲史氏は、尿路結石症に伴う疼痛発作に影響を及ぼす日別の気象因子について気温を含めて探索。関東7都県と愛知県における時系列分析の結果を、第34回日本尿路結石症学会(8月30日~9月1日)で報告した。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る