トリプルネガティブ乳がんにペムブロが有効 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対しては、KEYNOTE-522試験の中間解析結果に基づき、術前の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+化学療法と、それに続く術後のペムブロリズマブ単独療法が各国のガイドラインで推奨されている。英・Queen Mary University of LondonのPeter Schmid氏らは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2024、9月13~17日)で同試験の最終解析結果を発表。「早期TNBCへのペムブロリズマブ+化学療法による周術期免疫療法で全生存(OS)の持続的な改善が示された」と報告した。... 膀胱がんへの周術期デュルバルマブで生存延長 シスプラチン感受性の切除可能な筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者に対する標準治療は、シスプラチンベースの術前化学療法+根治的膀胱全摘除術である。英・Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏らは、MIBCの標準治療へのデュルバルマブによる周術期免疫療法の上乗せ効果を検証する第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2024、9月13~17日)で発表。標準治療と比べデュルバルマブの上乗せにより無イベント生存(EFS)および全生存(OS)が大幅に改善されたと報告した。... オランザピンがT-DXdによる嘔吐予防に有用 抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、乳がんをはじめ多くのがんに対する効果が期待される半面、頻度の高い副作用として遷延する悪心・嘔吐があり、予防・管理が課題である。昭和大学先端がん治療研究所准教授の酒井瞳氏らはT-DXdで治療した乳がん患者を対象に、オランザピンをベースとした予防的制吐療法の効果を検証する第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験ERICAを実施。オランザピンがT-DXdによる遷延する悪心・嘔吐の予防に有用であることを世界で初めて明らかにしたと、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2024、9月13~17日)で発表。... 欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2024)消化器注目3演題 消化器がんに対する薬物療法の開発スピードは速く、特に近年は主要な学会のたびにpractice changeに直結する発表が行われています。例年9〜10月に開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)と並ぶ、臨床腫瘍学の代表的な学会の1つです。今回はHER2陽性進行胃がんを対象としたKEYNOTE-811試験の最終解析結果、切除可能局所進行胃がんを対象としたTOPGEAR試験、intermediate stageの肝細胞がんを対象としたLEAP-012試験を取り上げて解説します。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る