今年4月に名称変更した日本人間ドック・予防医療学会。睡眠に関するシンポジウムでは、健常人のデータから睡眠不足と健康状態の関係性が示されました。また能登半島地震前後の健診結果からは、被災後の状況が健康に与える影響が浮き彫りとなりました。 被災地では断水の長期化が脂質代謝に影響 今年(2024年)1月1日、石川県で最大震度7を記録する能登半島地震が発生し、被災地域の一部では断水が長期化した。被災地域の中核病院である恵寿総合病院(石川県)は1月9日に健康診断を再開。同院健康管理センター保健師の新木可奈子氏は自施設の健診結果に基づき、地震前後や断水の有無による血液検査値の変化を地域間で比較検討。「断水が長期化した地域では、断水期間中に脂質値の変化量が上昇し、水道復旧後、一気に下降する傾向が見られた。断水による生活環境の変化が健診結果に影響した可能性がある」と第65回日本人間ドック・予防医療学会(9月6~7日)で報告した。... 昼間の眠気と睡眠時無呼吸に関連なし 近年、睡眠の質が健康に及ぼす影響が注目されており、標榜診療科への「睡眠科」の追加も検討されている。睡眠の重要性が社会的に広く認識される中、株式会社S'UIMIN代表取締役社長の柳沢正史氏は、自宅で脳波を測定し、睡眠の時間や質を客観的に評価するInSomnografを活用した睡眠検査結果から得られた知見について第65回日本人間ドック・予防医療学会(9月6~7日)で発表。「昼間の眠気の有無などの主観的な睡眠の質にかかわらず、一定頻度で中等症以上の無呼吸治療を考慮すべき症例を発見できた」という。... 名称変更した人間ドック・予防医療学会の挑戦 今年(2024年)4月1日、日本人間ドック学会は「人間ドック・予防医療学会」へと名称を変更した。改称を機にさらなる発展を目指す同学会だが、近年機関誌への掲載論文数が減少傾向にあり、学術活動を促す必要があるという課題がある。オリーブ高松メディカルクリニック(香川県)理事長/院長の福井敏樹氏は、第65回日本人間ドック・予防医療学会(9月6~7日)の「学会名変更記念シンポジウム」で同学会の現状と課題について解説。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る