さまざまなアレルギー関連のガイドラインが公開された2024年。「喘息予防・管理ガイドライン」では新たにclinical questionが追加され、喘息における"臨床的寛解"が定義されました。近年注目されている遺伝性血管性浮腫(HAE)やアナフィラキシー発症時の点鼻スプレーの話題と共に取材しました。 『喘息予防・管理ガイドライン』の改訂ポイント 今年(2024年)10月に刊行された『喘息予防・管理ガイドライン2024』(JGL2024)では、成人喘息の長期管理について新たに6つのクリニカルクエスチョン(CQ)が設定された。このうち4つについて、群馬大学医学部付属病院呼吸器・アレルギー内科の鶴巻寛朗氏、奈良県立医科大学呼吸器内科学講座講師の谷村和哉氏、東海大学呼吸器内科の岡田直樹氏、高知大学呼吸器・アレルギー内科准教授の大西広志氏が第73回日本アレルギー学会(10月18~20日)で解説した。... アドレナリン点鼻スプレー、アナフィラキシーに有効 アナフィラキシー治療の第一選択薬はアドレナリンの筋肉注射で、緊急用には自己注射薬(エピペン)も使用されるが、注射への抵抗感が強く投与が遅れるケースがあることが課題となっている。そこで注目されているのが、米・ARS Pharmaceuticalsが開発中のアドレナリン点鼻スプレー(neffy、以下ARS-1)だ。国立病院機構相模原病院臨床研究センターセンター長の海老澤元宏氏らは、日本におけるARS-1の第Ⅰ相薬物動態試験および第Ⅲ相臨床試験の結果を第73回日本アレルギー学会(10月18~20日)で報告。... 小児遺伝性血管性浮腫の診療実態と課題 遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビター(C1-INH)などの遺伝子異常により突発的に浮腫を生じる難治性の先天性疾患。世界での有病率は約5万人に1人と推定されているが、日本における小児HAE症例は散発的な報告のみで実態は明らかでない。遺伝性血管性浮腫の全国患者会であるHAEJと、順天堂大学小児科の鳥海俊氏、稲毛英介氏らは国内小児HAE患者の診療実態について全国質問紙調査を実施。結果を第73回日本アレルギー学会(10月18~20日)で報告した。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る