外科診療においても欠かせない感染症対策。若手外科医に興味を持ってもらうための取り組みや、来年(2025年)刊行予定の『消化器外科SSI予防のための周術期ガイドライン』から予防抗菌薬に関するCQなどを取材しました。 周術期の抗菌薬、来年改訂GLの推奨ポイント 日本外科感染症学会では現在、『消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン(GL)2018』の改訂を進めており、2025年に刊行予定だ。第37回日本外科感染症学会(11月8~9日)ではGLの変更点を解説する講演が行われ、第4章の予防抗菌薬投与に関するクリニカルクエスチョン(CQ)に対する推奨ポイントについて、東邦大学薬学部臨床薬学研究室講師の花井雄貴氏が解説した。... 外科感染症を「楽しもう!」、まず指導医から 外科手術と感染症は切っても切れない関係にある。若手外科医は技術の習得を重視する傾向にあるが、感染管理を行う上では外科感染症に関する知識とスキルが求められる。第37回日本外科感染症学会(11月8~9日)では「若手外科医が外科感染症に興味を持つための取り組み」をテーマにパネルディスカッションが開催され、産業医科大学感染症科学講座教授の鈴木克典氏が「まず指導医が外科感染症に興味を持ち、楽しむべきだ。その姿を見せてこそ、若手の興味関心の芽を育むことができる」と述べ、その方策について解説した。... 高齢と生活習慣病は肝切除後の感染リスク 大阪公立大学大学院肝胆膵外科学講師の新川寛二氏は、肝切除術を受けた肝細胞がん患者1,644例を対象に年齢と生活習慣病が肝切除術後の手術部位感染(SSI)に及ぼす影響を検討。その結果、75歳超の高齢と脂質異常症はSSI全体と腹腔内感染の危険因子であり、アルコール多飲は切開創部感染の危険因子であることが示されたと第37回日本外科感染症学会(11月8~9日)で発表した。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る