外科医師数の減少が特に地方において深刻化し、医師の働き方改革の影響で時間が不足する中で、今後の外科教育の在り方および外科医のワークライフバランスの改善はいずれも重要なテーマです。そこでこれらのテーマを議論するセッションから、臨床実習教育改革により医局員の増加を達成した取り組みと、育休を取得した男性外科医の実体験について取材しました。 男性外科医の育休取得、その実際と困難は? 法改正や働き方改革の施策により、最近では男性の育児休業(育休)取得が珍しくなくなり、男性が育児に参加しやすい職場環境が整備されつつある。しかし、人手不足の中で多忙な臨床業務をこなし、修練に励む若手外科医が育休を取得するのは容易でない。第86回日本臨床外科学会(11月21~23日)では、特別企画として育休を取得した男性外科医の体験や今後の課題について議論するセッション「男性外科医の『仕事と育児の両立』」が設定された。... 教育で医局員が集まる!産婦人科の実習改革 若手外科医の減少や医師の働き方改革などを背景に、外科教育の改革が求められている。こうした中、第86回日本臨床外科学会(11月21~23日)では特別企画として「外科教育を再考する」と題するセッションを設定。教育を専門とする臨床系教授という立場で学生教育改革を行った岐阜大学産婦人科教授の磯部真倫氏が、産婦人科における術前・術後の症例プレゼンテーションや初診外来医療面接を学生に任せる「診療参加型臨床実習」の取り組みを紹介。... 〔学会印象記〕「地域」から「世界」への飛躍を実感―第86回日本臨床外科学会に参加して 2024年11月21〜23日の3日間、JR宇都宮駅前のライトキューブ宇都宮他の会場で、第86回日本臨床外科学会が開催されました。会長は自治医科大学外科学講座主任教授の佐田尚宏先生でした。今年のテーマは「地域に外科を、そして世界へ」であり、栃木県の地域医療を熟知している同大学の社会的使命にふさわしいものと感じました。... 〔学会長インタビュー〕外科診療を「地域」と「世界」の両軸で考える 11月21〜23日の日程で第86回日本臨床外科学会学術集会が開催される(会場:ライトキューブ宇都宮他)。外科を志望する医学生、研修医が減少傾向にあるといわれる中、外科医にとって望ましい働き方や地域における医療提供体制の整備に焦点を当てた演題が並ぶ。今学会の会長を務める自治医科大学外科学講座主任教授の佐田尚宏氏に学会の見どころを聞いた。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る