ビベグロン、混合性尿失禁にも有効 β3受容体作動薬ビベグロンは重症度にかかわらず切迫性尿失禁(UUI)の症状改善に有効だが、UUIと腹圧性尿失禁(SUI)の両方を呈する混合性尿失禁(MUI)への効果は十分検討されていない。桜十字病院(熊本市)上級顧問/泌尿器科医長の吉田正貴氏は、国内の過活動膀胱(OAB)患者を対象とした第Ⅲ相試験の事後解析データを用いた検討結果から、「MUI患者におけるビベグロンの有効性および安全性はUUI患者と同等であり、同薬はMUIの有用な治療選択肢となりうることが示された」と第112回日本泌尿器科学会(4月17~19日)で発表した。・・・ 前立腺がんへの放射性リガンド療法、国内導入に期待 177Lu-PSMA-617は、標的化合物(リガンド)と治療用放射性核種(ルテチウム-177)を組み合わせた放射性リガンド療法の静脈内注射薬。前立腺特異的膜抗原(PSMA)陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を適応として、今年(2025年)中の国内承認が見込まれており、前立腺がんの新たな治療選択肢として期待されている。横浜市立大学大学院泌尿器腫瘍学特任教授/湘南鎌倉総合病院(神奈川県)前立腺センターセンター長の上村博司氏は、第112回日本泌尿器科学会(4月17~19日)で同薬の主な臨床試験の結果について概説し、自験例2例を紹介した。・・・ 尿路上皮がんへのキイトルーダとパドセブ、実臨床での成績は 転移性尿路上皮がん(mUC)の治療薬として近年、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)などの免疫チェックポイント阻害薬やNectin-4を標的とする抗体薬物複合体(ADC)エンホルツマブ ベドチン(商品名パドセブ)が登場している。大阪公立大学泌尿器病態学講師の加藤実氏は、実臨床においてペムブロリズマブまたはエンホルツマブ ベドチンの単剤療法を受けたmUC患者を対象とする後ろ向き研究の結果を第112回日本泌尿器科学会(4月17~19日)で発表。・・・ アパルタミドによる皮疹、保湿で予防可能 前立腺がん治療に用いられるアンドロゲン受容体阻害薬アパルタミドは、副作用として皮疹の発現頻度が比較的高い。皮疹により減量や治療中止につながりうるため、対策が重要となる。渋谷きむらクリニック(東京都)院長の木村夏雄氏は、日本人前立腺がん患者を対象に保湿の効果を評価する後ろ向き研究を実施。その結果、予防的保湿を行うことで皮疹の発現率が有意に低下したと第112回日本泌尿器科学会(4月17~19日)で発表した。・・・ 日常臨床の変革に向けた話題が満載―第112回日本泌尿器科学会に参加して 「次の100年に向けて Aiming toward the next 100 years of urology」をテーマに開催された第112回日本泌尿器科学会(大会長:九州大学大学院泌尿器科学分野教授・江藤正俊氏)から、直近の日常臨床の変革に結び付く話題についてJCHO三島総合病院院長の赤倉功一郎氏に印象記としてまとめていただきました。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る