成人RS/hMPウイルス肺炎の臨床像を比較 国内の成人ウイルス性肺炎患者を対象とした多項目遺伝子検査におけるRSウイルス(RSV)の罹患率は、インフルエンザウイルスと同じ9%と報告されており、重要な原因ウイルスの1つである。しかし、RSVおよびヒトメタニューモウイルス(hMPV)の迅速抗原検査・遺伝子検査の保険適用は小児または入院例に限られ、成人のエビデンスは少ない。長崎記念病院(長崎県)内科・呼吸器内科の髙尾亮太氏は、成人ウイルス性肺炎の臨床的特徴についてインフルエンザウイルス肺炎とRSVおよびhMPV肺炎で比較した結果を第99回日本感染症学会/第73回日本化学療法学会(5月8~10日)で報告した。・・・ コロナ後遺症への抗ウイルス薬は有効か 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状(Post-COVID-19 Condition;PCC)に対する治療法はいまだ確立されておらず、課題となっている。現時点では、①COVID-19の急性期に抗ウイルス薬を投与してウイルス量を減少させる、②新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後に発症する1つ以上の臓器系に影響を及ぼす3カ月以上の慢性疾患(Long COVID)に対して残存ウイルスを駆除する―という2つの治療法が明示されている。大阪大学大学院感染制御学教授の忽那賢志氏は第99回日本感染症学会/第73回日本化学療法学会(5月8~10日)で、PCCに対する抗ウイルス薬の効果についてエビデンスを交えて紹介。・・・ 〔MT Case Reports〕致死的出血を呈した重症熱性血小板減少症候群の78歳女性 2013年3月に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が4類感染症に指定されて以降、今年(2025年)1月時点で国内の報告数は1,058例に上る(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトより)。マダニ刺咬による経皮感染が主流で、60歳代以上の高齢者では死亡リスクが高い。北九州市立医療センター総合診療科の内藤宏氏は、第99回日本感染症学会/第73回日本化学療法学会(5月8~10日)で、SFTSにより致死的な出血病変を呈した78歳女性の症例を紹介した。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る