PAD合併2型糖尿病、セマグルチドで歩行能力改善 カナダ・University of TorontoのSubodh Verma氏は、末梢動脈疾患(PAD)を有する2型糖尿病患者を対象に、GLP-1受容体作動薬セマグルチド皮下注製剤(商品名オゼンピック)の有効性を検討する第Ⅲb相二重盲検ランダム化比較試験(RCT)STRIDEの結果を、米国糖尿病学会(ADA 2025、6月20~23日)で発表。52週時点における最大歩行距離(MWD)のベースラインからの変化量について、プラセボ群と比べセマグルチド群で有意に延長することなどが示されたと報告した。なお、詳細はLancet(2025; 10489: 1580-1593)に掲載された。・・・ 週1回投与の基礎インスリン、グラルギンにも非劣性 米・Velocity Clinical Research Center at Medical City DallasのJulio Rosenstock氏らは、インスリン治療歴がない2型糖尿病患者を対象に週1回投与の基礎インスリン製剤efsitora alfa(efsitora)と1日1回投与の持効型溶解インスリン製剤インスリングラルギンの有効性および安全性を比較する第Ⅲ相非盲検ランダム化treat-to-target試験QWINT-1を実施。52週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量について、グラルギン群に対するefsitora群の非劣性が認められ、低血糖および重症低血糖の発生頻度はefsitora群で低かったと米国糖尿病学会(ADA 2025、6月20~23日)で発表した。・・・ 短期間のCGM介入で2型糖尿病患者の行動変容 持続血糖モニタリング(CGM)は、患者に自らの血糖変動に関する新たな知見を与え、行動変容を促しうる。だが、その短期的な使用がもたらす影響についてのエビデンスは乏しい。デンマーク糖尿病協会研究部門長のTanja Thybo氏は、CGMデバイスを14日間(2週間)装着した2型糖尿病患者において、患者が得た意識の変化を評価。その結果、最小限の指導によって短期間CGMデバイスの使用を促すだけでも、血糖管理の改善に寄与する長期的な行動変容を患者にもたらす可能性が示されたと、米国糖尿病学会(ADA 2025、6月20~23日)で発表した。・・・ Orforglipron、重症低血糖なしにHbA1c低下 飲食および飲水の制限なく1日1回の経口投与が可能な初のGLP-1受容体作動薬orforglipron。効果発現が期待される。米・Velocity Clinical Research Center at Medical City DallasのJulio Rosenstock氏らは、日本人101例を含む2型糖尿病患者を対象に同薬の有効性および安全性を検証する第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験ACHIEVE-1を実施。プラセボ群と比べorforglipron投与群では重症低血糖の発現なしに有意なHbA1cの低下が認められ、用量依存的な体重減少を示したと米国糖尿病学会(ADA 2025、6月20~23日)で発表した。・・・ 月1回皮下注のGLP-1作動/GIP拮抗薬で9割が減量達成 肥満症治療薬として開発中の長時間作用型ペプチド抗体複合体maridebart cafraglutide(以下、MariTide)は、GLP-1受容体作動作用とGIP受容体拮抗作用を併せ持ち、半減期が長いことから月1回の皮下投与での効果発現が期待される。米・Yale School of MedicineのAnia M. Jastreboff氏らは、日本人を含む糖尿病合併/非合併の肥満患者を対象に同薬の有効性および安全性を検証する第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照用量設定ランダム化比較試験の結果を、米国糖尿病学会(ADA 2025、6月20~23日)で発表。糖尿病合併の有無にかかわらず、MariTideの週1回皮下注により有意な体重減少が示されたと報告した。・・・ 次世代GLP-1受容体作動薬で20%超の体重減少 次世代GLP-1受容体作動薬として期待される、アミリン受容体作動薬cagrilintide とGLP-1受容体作動薬セマグルチドの配合薬(以下、CagriSema)。米・University of Alabama at BirminghamのW. Timothy Garvey氏らは、過体重/肥満の成人を対象に同薬の有効性および安全性を検証した第Ⅲa相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験REDEFINE 1の結果を、米国糖尿病学会(ADA 2025)で発表。68週時におけるベースラインからの体重の平均変化量は、プラセボ群の-2.3%と比べ、CagriSema群では-22.7%と減少幅が有意に大きく、5%以上の体重減少を達成した患者の割合も多かったと報告した。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る