近年、美容医療に対する需要の高まりに伴い、技術や治療法も進展しています。一方、直美の増加や不適切な美容医療が問題視され、医療の質および安全性の担保がますます求められています。 今回は、美容医療のあり方、毛髪疾患、がんアピアランスケアにおける福祉ネイルの話題を取り上げます。 がん患者のアピアランスケアに「福祉ネイル」 がんの治療に伴って生じる外見の変化に悩む患者は多いことから、アピアランスケアが重要視されている。熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学講座教授の福島聡氏は、アピアランスケアの一環として行った「福祉ネイル」による介入について、第43回日本美容皮膚科学会(8月16~17日)で報告。「福祉ネイル介入で、男女問わずがん患者のQOLが有意に改善した。ネイルサロンに行きにくいがん患者にとって、院内でできる福祉ネイルは期待値が高い」との見解を示した。・・・ 美容医療、問われる質 美容皮膚科診療は、社会的なニーズの高まりに伴い拡大している。しかし、その発展が健全かどうかについては疑問が残る。そこで東京女子医科大学名誉教授の川島眞氏は、美容皮膚科診療に従事する医師を対象に診療に関するアンケートを実施し、結果を第43回日本美容皮膚科学会(8月16~17日)で報告。「美容皮膚科診療も医療であり、エビデンスが重視されるべき」と訴えた。・・・ どうする?脱毛症治療での皮膚トラブル 高齢化の進展に伴い、育毛剤の需要はますます増えると考えられる。皮膚科医は正しい知識を持ち、使用中のトラブルに対して適切に対応することが求められる。昭和医科大学藤が丘病院皮膚科の濱本龍典氏は、ミノキシジル含有育毛剤による接触皮膚炎と診断した1例について、第43回日本美容皮膚科学会(8月16~17日)で報告した。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る