「めぐり つながる」をテーマに開催された日本血液学会。最先端の研究成果が発表される熱気あふれるセッションに加え、人気漫画『はたらく細胞』とのユニークなコラボ企画によるフォトスポットも登場し、真剣な学術議論と和やかな交流が共存する印象深い学会となりました。今回、血液がん(多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病)や発作性夜間ヘモグロビン血症の最新の薬物療法に関する研究をピックアップしました。 夜間ヘモグロビン尿症へのクロバリマブ、長期成績は 抗補体(C5)モノクローナル抗体クロバリマブは、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する有効性・安全性を検討した第Ⅲ相国際ランダム化比較試験COMMODORE 2において、エクリズマブに対する非劣性が示されている。大阪大学大学院血液・腫瘍内科学招聘教授の西村純一氏は、同試験の2年間の追跡期間における成績について第87回日本血液学会(10月10~12日)で報告した。・・・ 初発CMLへのアシミニブ、日本人の長期成績は ABLミリストイルポケット(STAMP)阻害薬アシミニブは、国際共同第Ⅲ相試験ASC4FIRSTの良好な成績に基づき、今年(2025年)5月に慢性骨髄性白血病(CML)の一次治療としての適応が追加された。大阪大学大学院血液・腫瘍内科学の一井倫子氏は、同試験の日本人集団における96週間の追跡結果を第87回日本血液学会(10月10~12日)で報告した。・・・ くすぶり型多発性骨髄腫へのダラ単剤は日本人にも有効 くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)は、多発性骨髄腫(MM)の無症候性前駆症状として知られ、経過観察が標準治療となっている。日本赤十字社医療センター(東京都)骨髄腫アミロイドーシスセンター顧問の鈴木憲史氏らは、高リスクSMM患者を対象にダラツムマブ単剤療法の有効性および安全性を検証した国際共同第Ⅲ相ランダム化比較試験AQUILAにおける日本人サブグループ解析を実施。「日本人においても良好な結果が示され、新たな治療選択肢としての可能性が示唆された」と第87回日本血液学会(10月10~12日)で発表した。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る