幸福のアラビア、そして最後のフロンティア
外務省福利厚生室上席専門官 猪瀬崇徳
初めての夢の海外生活は、防弾チョッキを着用し、防弾車に乗り込み、武装警備員のエスコートの下、大使館とホテルを往復する毎日でした。イエメン共和国では、私が着任する少し前に日本人大使館員が自家用車で出勤途中に何者かにナイフで襲われて負傷し、車を奪われるという事件が起こったこともあり、基本的には外出は許されていませんでした。
私が赴任した当時は、イエメンに本拠を置く「アラビア半島のアル・カーイダ」によるテロや、ホーシー派と呼ばれる北部勢力の民兵による首都占拠、大統領宮殿の制圧に続く大統領および首相の辞任、ホーシー派による法に基づかない一方的な議会解散と憲法宣言の発出といった政治的な混乱が続いていたのです。2015年の2月に入り西側諸国や湾岸諸国の大使館が相次いで一時閉鎖を決めたのに続いて、わが国の大使館も一時閉鎖をすることになりました。願わくは再びイエメンに戻りたいものですが、先のことは神のみぞ知る、インシャアッラー(ムスリムが約束事をしたり先のことを話したりするときの決まり文句「アッラーの思し召しがあれば」)といったところです。
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猪瀬 崇徳(いのせ たかのり)
1976年生。2001年群馬大学卒業後、同大学病院およびその関連病院で消化器外科医として勤務。2014年から外務省医務官として、在イエメン日本国大使館、在ミャンマー日本国大使館で勤務の後、2018年3月より現職。写真はイエメン勤務時代の出勤風景。









