NEJMに学ぶ子宮内膜がんの診療

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 N Engl J Med2020 Nov 19; 383: 2053-2064)に子宮内膜がん(子宮体がん)の総説がありました。ずっと気になっていた総説でしたのでまとめてみました。 子宮内膜がん総説の最重要点は以下の13です。

  1. 子宮内膜がんの57%は肥満。無排卵月経でエストロゲン(プロゲステロンなし)で複雑型子宮内膜異型増殖症(CAH)
  2. 米国で肥満増加とともに子宮内膜がん増加。特に黒人。予防効果は経産、経口避妊薬
  3. 内膜がんの8割は類内膜がんでエストロゲン過剰、若年、肥満、grade 1~3(腺<固形)に分類
  4. 2割は非類内膜がん(漿液性がん、明細胞がん、がん肉腫)でホルモン無関係、閉経後発生
  5. 危険因子は肥満、DM、多嚢胞性卵巣症候群、HRT(プロゲステロンなし)、ノルバデックス
  6. 内膜がん予防効果があるのは経産、経口避妊薬(数十年有効)、プロゲステロン含有IUD
  7. リンチ症候群は内膜がんの3%、ミスマッチ修復系異常、免疫チェックポイント阻害薬有効。近親者調査
  8. 予後予測遺伝子:MMR、CTNNB1、TP53(予後不良)、POLE(予後良)、L1CAM
  9. 手術時、子宮頸部にICG注入しsentinel lymph nodesを確認。偽陰性率2.8~4.3%
  10. stage1の5年生存率>90%、高中間リスク群は腟近距離照射
  11. grade 3、筋層>50%浸潤で全骨盤照射効果?漿液性がんは化学療法+腟近距離照射
  12. リンパ節転移の場合、放射線に化学療法(パラプラチン+タキソール)併用可否は不明
  13. 進行がん標準治療:パラプラチン+タキソール、HER2(+):ハーセプチン、PR(+):プロゲステロン、MSI-H:キートルーダ
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