胸水はゆっくり抜くべきか、急いで抜くべきか 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:急速なドレナージは再膨張性肺水腫のリスク? 呼吸器内科の世界では、検査目的の胸腔穿刺(せいぜい数10mLくらい)ならばともかく、症状緩和目的や治療目的での1L以上の排液となると、「あまり急いで抜かない方がよい」というコンセンサスがある。 これは、再膨張性肺水腫(re-expansion pulmonary edema;REPE)を予防するためである。大量の胸水をドレナージした後にREPEが起こる症例が多いことは確かだが、全く発症しない人もおり、明確な危険因子はまだよく分かっていない。機序としては以下のようなものが考えられる(図)。 図. 再膨張性肺水腫の発生機序 (種々の文献を基に倉原優氏作成) この機序が認識されているため、「強い圧で吸引しない」「大量の胸水はドレナージしない」ということが、啓発されているわけだ。繰り返すが、強固なエビデンスがあるわけではなく、質の高い研究が望まれている。 さて、今回紹介するGRAWITAS試験は、欧米の多施設単盲検ランダム化比較試験において、500mL以上の大量胸水がある患者を、吸引または重力性ドレナージに 1:1の割合で割り付け、臨床効果を比較したものである(Chest 2024年7月17日オンライン版)。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×