SGLT2阻害薬は超高齢社会向けの薬剤 パーキンソン病や認知症のリスク低下と関連 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:臓器保護効果で鎬を削るSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬 この数年で糖尿病治療薬のアルゴリズムは大きく変わり、メトホルミンが第一選択薬でそれ以外は全て横並びの第二選択薬という状況から、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬が大きく立ち位置を上げてきた。 この両薬は、単に血糖値を改善させるのみならず、臓器保護効果において他の薬剤より優れていたのである(Diabetes Obes Metab 2023; 25: 3560-3577、Cardiovasc Diabetol 2021; 20: 36、関連記事「糖尿病薬のリーグ戦、"優勝"した薬剤は?」)。その臓器保護の対象となる臓器は、"cardiorenal risk reduction"と米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)が表現するように(Diabetes Care 2022; 45: 2753-2786)、基本的には心臓と腎臓(心血管イベント、心不全、慢性腎臓病)であり、SGLT2阻害薬のほぼ独り勝ちに近かった腎臓保護効果についても、最近FLOW試験でGLP-1受容体作動薬の有効性が報告されたところである(N Engl J Med 2024; 391: 109-121)。 そのような中、GLP-1受容体作動薬のパーキンソン病進展予防効果について、今年(2024年)7月にご紹介させていただいたばかりである(N Engl J Med 2024; 390: 1176-1185、関連記事「GLP-1受容体作動薬がパーキンソン病治療薬に?!」)。また、アルツハイマー病に対する期待感も最近報告されている(Alzheimers Dement 2024年10月24日オンライン版)。GLP-1受容体作動薬は糖尿病(血糖管理)とは無関係に臓器保護効果(この場合は脳)が期待できるのである。 そして今度は、SGLT2阻害薬によるパーキンソン病進展予防効果を期待させるプロペンシティスコアマッチングを施した観察研究結果がNeurology誌に掲載された(Neurology 2024; 103: e209805)。認知症予防効果も期待できるという。超高齢社会のわが国においてさらに処方意向に影響を与えうる報告と考えご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×