アレルギー疾患と精神神経疾患の関連を考える エビデンスレベルの強さによる考察から、炎症の根本治療の必要性まで 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:両疾患の因果関係について、研究結果に一貫性がない コントロール不良な慢性アレルギー疾患患者は、症状が一時的に改善しても、長期間の治療や度重なる再発によるQOLの低下から、不安、ストレス、うつ症状などの精神衛生状態の悪化に悩まされることが容易に推測できる。全てのアレルギー疾患で示されているわけではないが、「皮膚アレルギー疾患の適切な治療は精神衛生状態の改善につながる」との報告もある(J Eur Acad Dermatol Venereol 2015; 29:1724-1731、J Dermatolog Treat 2020; 31: 606-614)。 一方で、「アレルギー疾患と精神神経疾患には遺伝的素因を含めた直接的な因果関係はなく、アレルギー疾患の発症予防のための介入は精神神経疾患の発症抑制にはつながらない」との報告もあり(Clin Exp Allergy 2021; 51: 1449-1458)、アレルギー疾患が精神神経疾患の発症要因となるかどうかについては、現段階では明確な答えが出ていない。 このように、アレルギー疾患と精神神経疾患の関連性を論じるに当たっては複雑な交絡因子が関わるため、明らかな関連性の評価は難しいと言わざるをえない。今回、アレルギー疾患と精神神経疾患の関連性の評価を目的としたメタ解析に関するシステマチックレビューから得られた知見について、エビデンスレベルの強さと精度に着目して包括的に解析した研究論文(J Allergy Clin Immunol 2025; 155: 701-713)が示されたので御紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×