「自称」自閉スペクトラム症の特徴

臨床診断例との違い

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:年々増加する発達障害、自己診断例も増加か

 自閉スペクトラム症(ASD)を中心とする発達障害が増えている。日本における、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いた調査でも、病院でASDと診断された人が年々増加していることが報告されている(JAMA Netw Open 2021; 4: e219234)。生まれてから5年間の累積有病率は、2009年生まれのコホートでは2.23%であったが、その後増え続け、2014年生まれのコホートでは3.26%に上昇している。

 その主な要因としては、➀市民や専門家の間で認識が高まり、診断されやすくなったため、これまでであれば見過ごされていたケースが的確に診断されるようになった、➁自閉症からASDへとより幅広い診断になった、➂ASDの社会的サービスへのアクセスが改善した―ことなどが関係していると考えられる。その他にも、生物学的な要因が関係している可能性も検討されているが、議論のあるところであろう。

 しかしながら、発達障害を持っていると自称する成人は、より増加しているような印象がある。これは、インターネットやSNSによって、発達障害に関する情報が広く拡散されるにつれて、「自分も発達障害なのではないか」と自己診断する人が増えているためかもしれない。

 最近、自閉症の傾向があると自己申告した人と、臨床的に自閉症と診断された人の違いについて検討した論文が発表された(Nat Ment Health 2025; 3: 286-297)。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする