研究の背景:アトピー性皮膚炎とADHDの関連を双方向に調べたものはない アトピー性皮膚炎(AD)は代表的な慢性炎症性皮膚疾患であり、全世界における推定有病率は小児で約20%、成人で約10%とされる。他方、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の推定有病率は小児の5%超に対し、成人では6.76%とより頻度が高い。 アレルギー性疾患とADHDの関連は1980年代から報告されており、先行するADがADHDの頻度を増加させる一方、ADHDがADの発症と進行に影響を及ぼす可能性が示唆されている。しかし、ADとADHDの双方向の関係を具体的に扱ったレビューはない。そこで今回、両者の双方向の関係を体系的に明らかにしたメタ解析の論文を紹介する(Ann Med 2025年3月30日オンライン版)。