H. pylori感染・非感染の上部消化管での細菌叢とは?

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研究の背景:解明が進む上部消化管の細菌叢

 H. pyloriの発見までは、ヒトの胃はその強酸性のため、無菌部位であると考えられていた。H. pyloriの発見後は、H. pyloriが胃上皮で生息することができる唯一の細菌であると想定されてきた(Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2014; 11: 628-638)。しかし、その後、Firmicutes、ProteobacteriaおよびBacteroidetesといった細菌門に属する細菌が胃液から培養され(Aliment Pharmacol Ther 2001; 15: 379-388)、さらに最近の細菌培養を用いない研究からは上部消化管に生息する複雑な細菌門集団の存在が明らかになった(Proc Natl Acad Sci USA 2006; 103: 732-737)。

鈴木 秀和(すずき ひでかず)

鈴木先生

慶應義塾大学 医学教育統轄センター教授。

1989年に慶應義塾大学医学部を卒業し、1993年に同大学大学院医学研究科博士課程修了 。同年に米国カリフォルニア大学サンディエゴ校研究員、2005年に北里研究所病院消化器科医長を経て、2006年に慶應義塾大学医学部内科学(消化器)専任講師 、2011年に同大学内科学(消化器)准教授。2015年11月より現職。
東京歯科大学内科学客員教授、日本微小循環学会理事長、Rome委員会委員、日本専門医機構・専門医認定・更新委員会常任委員、日本ヘリコバクター学会理事、日本潰瘍学会理事、日本神経消化器病学会理事、日本がん予防学会理事、日本消化器病学会財団評議員、AGAフェロー、ACGフェロー、Rome財団フェロー。

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