あのCa拮抗薬が早期糖尿病の治療を変える?! 圧倒的に安価な薬で最善のβ細胞保護効果 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:ベラパミルはマウス実験でβ細胞保護効果を示していた これまで自己抗原を含む免疫関連薬について、1型糖尿病の発症予防、寛解(β細胞の再生)あるいは進展予防(β細胞減少の阻止)に対する有用性が検討されてきた。しかし、インスリン(N Engl J Med 2002;346: 1685-1691)、ニコチン酸アミド(Lancet 2004;363:925-931)、GAD65ワクチン(Lancet 2011;378: 319-327)、CTLA4-Ig(Lancet 2011;378:412-419) 、抗CD3抗体(Lancet 2011;378:487-497)を用いた薬剤介入試験では、(いずれも全く無効とはいえないが)芳しい成績を挙げられずに終わっている(関連記事「1型糖尿病発症直後への介入による寛解導入の夢」)。 ところが、米・アラバマ大学のグループは、不整脈や狭心症の治療薬として広く臨床の現場で使用されているCa拮抗薬ベラパミルが、β細胞のチオレドキシン相互作用蛋白(TXNIP)の発現を低下させること、ストレプトゾトシン投与によってβ細胞壊死を来す糖尿病モデルマウスにおいて糖尿病発症を抑制できることを示していた(Diabetes 2012;61:848-856)。 このたび、同大学のグループがベラパミルを発症間もない1型糖尿病患者に投与して、β細胞機能の保護(残念ながら再生とまではいえなさそうではあるが)に成功したことを報告した(Nat Med 2018;24: 1108-1112)。これまで検討されてきた試験薬に比べて圧倒的に安価な薬剤で最善のβ細胞保護効果が示されたわけであり、今後、新規発症1型糖尿病のみならず、2型糖尿病を含めて糖尿病の治療シーンを変化させる可能性があると考えご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×