プロバイオティクスってどうよ?

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:注目される腸内微生物とプロバイオティクス治療

 国内外でプロバイオティクスが注目されて久しい。抗菌薬(antibiotics)が菌を殺す薬なのに対して、プロバイオティクス(probiotics)は微生物そのものを投与する。通常は経口投与だ。その微生物が腸内の細菌叢に好影響をもたらし、さまざまな健康上の利益があるのではと言われているのだ。

 そもそも、腸内の微生物そのものが現在注目されている。抗菌薬の乱用で腸内細菌叢のバランスが崩れ、Clostridium difficileのような耐性菌が疾患を起こすことはよく知られている(Clostridium difficile infection, CDI。最近、ClostridiumClostridioidesと改名されたが、まあ面倒なことである)。が、それだけでなく腸内細菌は、健康と多様な疾患に深い関わりがあることが分かってきた。アレルギー疾患、動脈硬化、肥満、がん、不安障害のような精神科疾患・・・。

岩田 健太郎(いわた けんたろう)

岩田氏

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。

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