ドクターズアイ 岩田健太郎(感染症)

CT値は些末な問題

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

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© Adobe Stock ※画像はイメージです

研究の背景:新型コロナPCR検査のCT値基準値は国により異なる

 個人的な話で恐縮だが、クリント・イーストウッドのファンだ。役者としても、監督としても。特に監督としては素晴らしくて、彼がつくる映画は名作揃いでまず「ハズレ」がない。未見の方は、お薦めですよー。

 そうした名作の1つに『ハドソン川の奇跡』という映画がある。米・ニューヨーク市マンハッタン島の西にあるハドソン川に旅客機が不時着したという2009年の実話をベースにした映画だ。奇跡的な不時着を成し遂げた名機長の「サリー」ことチェスリー・サレンバーガーをトム・ハンクスが演じている。

 で、今回のテーマはCT値(あるいはCt値)だ。『ハドソン川の奇跡』との関係は、後で述べる。紹介するのは以下の論文だ。論文そのものは比較的ソフトなものである。

Buchan BW, Hoff JS, Gmehlin CG, Perez A, Faron ML, Munoz-Price LS, et al. Distribution of SARS-CoV-2 PCR Cycle Threshold Values Provide Practical Insight Into Overall and Target-Specific Sensitivity Among Symptomatic Patients. Am J Clin Pathol [Internet]. 2020 Sep 8; 154(4): 479-485.

岩田 健太郎(いわた けんたろう)

岩田氏

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。

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