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ダイエットはなぜ失敗するのか、原因を解明―米研究

 2011年08月05日 10:38

 【ボストン】ダイエットはなぜ失敗するのか―。そんな疑問を、米ボストン大学のPietro Cottone准教授らが解明し、米科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of USA」(2009; 106: 20016-20020)に発表した。脂肪と糖分を多く含む食べ物を断続的に食べていると、薬物依存やアルコール依存で観察されるのと同じ脳内の変化が引き起こされるという。

ストレス関連ホルモンが反応

 肥満と摂食障害は、節制(高脂肪・高炭水化物食を我慢する)時期と反動的な過食(高脂肪・高炭水化物食を抑えることができず、脅迫的に食べてしまう)の時期が交互に繰り返される状態。おいしい食べ物によって得られる幸福感についてはよく知られているが、嫌な気分を緩和するためにおいしい食べ物を食べる点については、これまであまり注意が向けられていなかった。

 今回の研究では、ラット155匹を(1)標準的な食餌を5日間与えた後、糖分の多いチョコレート風味の食餌を2日間与えることを繰り返す群(第1群)、(2)標準的な食餌のみを与える群(第2群)―に分類。両群ともに食餌の量は制限されず、7週間与えられた。

 その結果、第1群に標準的な食餌を再び与えると、ラットは食欲の低下を示し、これまで食べていた標準的な食餌を拒絶。不安に関する行動を示すようになった。しかし、糖分の多い食飼を再び与えたところ、ラットは過食に走り、不安に関する行動は正常に戻った。

 ラットの脳を調べたところ、糖分の多い食餌を止められている第1群のラットでは、恐怖、不安、ストレス反応に関する脳の扁桃体で、ストレス関連のホルモンである「コルチコトロピン放出因子(CRF1)」などが増加。反対に、糖分の多い食餌を与えられるとCRF1の濃度は正常値に戻った。過食や不安に関する行動は、CRF1の受容体にくっつく薬剤(拮抗薬)を投与することで抑制されたという。

 共同研究者で同大のValentina Sabino准教授は「美食を断つことによるCRF1の増加は、負の感情や不安症状を呼び起こし、断っている食べ物を再び食べたいという欲求につながる。美食を断つダイエットを繰り返している人がダイエット中に感じるストレスは、薬物依存やアルコール依存による情動状態と神経生物学的に似ている」と述べている。

Medical Tribune紙 2010年1月21日号 掲載

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