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近視の割合が30年前に比べ1.7倍に―米報告

 2011年08月05日 10:38

 【シカゴ】米国立眼研究所(NEI)のSusan Vitale氏らは、米国で1999~2004年に行った調査から、30年前と比べて近視が約1.7倍に増加したとの報告を米医学誌「Archives of Ophthalmology」(2009; 127: 1632-1639)に発表した。

人種別でも傾向は変わらず

 近視とは、遠距離の物体の像が網膜より前方で焦点を結んでしまう屈折異常の1つ。近視によるぼやけた視界は、矯正用レンズ(眼鏡あるいはコンタクトレンズ)やレーシックなどの屈折矯正手術によって治療可能だ。

 Vitale氏らは、米国における近視の割合を比較するために、国民保健栄養調査(NHANES)から(1)1971~72年調査分の4,436人、(2)1999~2004年調査分の8,339人―のうち黒人と白人(12~54歳)のデータを抽出し、分析を行った。

 研究の結果、近視率は1999~2004年では41.6%で、1971~72年の25%と比べて有意に高かった。人種別に見ても、1971~72年より1999~2004年で高く、黒人が26.3%対33.5%、白人が26.3%対43%。また、重症度別でもあらゆる項目で同様に上昇していた。

 近視は矯正用レンズにより治療が可能であるが、近視の人が多いため、米国では年間数十億ドルの医療費がかかっている。そのため、同氏は「ヘルスプランナーや政策立案者が、費用対効果の高い治療戦略を構築することが求められる。そのためには今後の研究により、近視につながるさまざまな要素を見いだし、より良い治療法を見つけることが重要だ」と結論している。

Medical Tribune紙 2010年2月4日号 掲載

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