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ハムスターでぜんそくに―飼ってから1年前後で発症

 2011年08月10日 10:44

 ペットブームを反映して、ハムスターによるアレルギーが増えている。症状のほとんどがぜんそくで、ハムスターを飼い始めて1年前後で発症している。ハムスターを飼っている家庭でぜんそく患者が出た場合は、ハムスターが原因ではないかと疑った方がよさそうだ。

ハムスターだけに反応

 ハムスターはネズミの一種で、体長10数センチ程度の小動物。愛くるしく価格も手ごろなことから、ペットとして人気が高い。しかし、1995年ごろからハムスターが原因のアレルギー、特にぜんそくが増えている。

 アレルギー・呼吸器科のある国立相模原病院(神奈川県)の外来患者で見ると、ハムスターを飼っている人は、2人に1人の割合でぜんそくを起こしていた。症状は、ほかの物質が原因のぜんそくに比べ、ややせきが強い程度で、大差はなかった。しかし、ハムスターによるぜんそくは、なぜか成人に多いのが特徴で、子供が飼っていても親が発症するといったケースが目立つ。

 子供のころからぜんそくの人は、いろいろなアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)に過敏になっている。ところが、ハムスターによるケースは、ハムスターだけに反応する人が多い。

 このぜんそくは、ハムスターのふけ状の皮膚の一部や分泌物、あるいは乾燥した尿の微粒子などを吸い込むことが原因と考えられている。

治療の原則は「飼うのをやめる」

 ぜんそく発作が出るのは、ハムスターを飼い始めてから、早い人で数カ月、遅いケースでは2~3年、通常は1年前後が多い。しかし、ハムスターが原因でぜんそくになることを知っていないと、適切な治療を受けられない。

 ハムスターを飼っている人は、ぜんそくなどのアレルギー疾患が起こった場合、受診に際してその旨を医師に告げた上で、皮膚テストと血液検査を受けると、ハムスターが原因かどうかが分かる。原因がハムスター単独と診断されれば、飼うのをやめることが治療の原則。飼うのをやめれば、それによって著しく治療効果が上がるばかりか、無駄な治療を受けなくて済む。

 ぜんそくの治療には吸引性のステロイド薬が有効だが、ハムスターが原因の場合は、症状が改善したからといって吸引を中止すると、ひどい発作が起こって生命にかかわりかねない。

 ハムスターがぜんそくの原因になっていても、飼いたいときや、子供の希望で飼わざるを得ないときは、放し飼いにしないで、かごに入れ、限定した部屋で飼うとよい。尿の処理を小まめに行うことも大切だ。

1999年7月取材(記事内容は取材当時のもの)

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