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子供のいびきは"気道の悲鳴" 心臓に負担も

 2011年08月11日 10:44

 子供のいびきは、放置していると原因疾患を見逃すばかりか、発育に大きく影響する。「いびきは、気道の悲鳴と考えて」と、帝京大学医学部付属溝口病院(神奈川県)耳鼻咽喉科の石塚洋一教授は注意を喚起している。

多い扁桃肥大

 子供の気道は成人に比べて狭い上、喉頭と扁桃(へんとう)とが近いので、口からは空気がうまく入りにくい。このため、鼻が詰まったときなどには、子供は成人よりもいびきをかきやすいが、それが毎日のように続く場合は要注意。

 「習慣性のいびきの場合は、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔(びくう)炎、扁桃肥大などの病気が原因になっているケースがほとんどです」(石塚教授)

 中でも扁桃肥大は、赤ちゃんから学童期の子供の10人に1人はかかっているとみられるほど多い。この病気があると、食べ物が食べにくくなるので、よく水を飲むようになる。その結果、食が細くなったり、偏食になったりする。

 「もちろん睡眠中は、いびきによって空気の取り込み量が減り、低酸素状態になります。加えて、熟睡できないので、成長ホルモンの分泌も悪くなります」(同教授)

精神面にも大きく影響

 発育盛りの子供が睡眠も栄養も十分でなければ、低身長、低体重、虚弱体質、運動能力の低下を招く。

 「問題は、それだけではありません。いびきがひどくなると、心臓に負担が掛かり、呼吸困難から、突然死に至る危険性が増します」(石塚教授)

 特に、いびきが大きい、いびきといびきの間に呼吸が止まる、といったケースは注意が必要だ。

 一方、いびきは精神面にも大きく影響する。常に活気がなく、他の子供と遊べないなど、積極性に欠けるようになり、学力の低下にもつながる。このように、いびきは心身両面で子供の発育に大きく影響する。

 「睡眠中の子供を観察できるのは、保護者以外にはありません。子供が習慣的にいびきをかく場合は、軽視しないで耳鼻咽喉科を受診してください」と同教授はアドバイスしている。

2004年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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