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早期胃がん(上)―発見

 2011年08月11日 10:44

 がんの治療成績を上げるには早期発見、早期治療が大切といわれる。早期胃がんには、ないとされていた自覚症状が、実際には表れていることも、近年の調査で分かった。早期胃がんの症状や治療法とは―。

多くは治る

 胃の壁は、内側から外側に向かって粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、しょう膜の順で5層になっている。がんは粘膜層から外側に進んでいくが、粘膜層から粘膜下層までにとどまっているものを「早期がん」という。進行するにつれて、リンパ節へ転移する可能性が出てくるが、リンパ節に転移していたとしても、この範囲の深さなら早期がんと呼ぶ。

 早期胃がんは手術で切除すれば、80~90%は再発しないという。リンパ節から他の臓器へ転移していると治療が困難になるので、早期がんのうちに発見し、治療することが大切だ。

 ところで、胃がんは早期に限らず、進行がんでも自覚症状がないことが多いといわれている。確かにひどい自覚症状はないが、早期胃がんでも60~70%に自覚症状があることが、全国の2万人以上を対象にした調査で分かっている。

 例えば、普段は胃のあることなど気にしたことがないのに、みぞおちの下辺りに胃があるような感じがしたり(存在感)、胃がもたれたり、食欲がなくなったりするというもの。胃がんは早期では痛みはほとんどなく、比較的軽い症状と言える。

体重減少も

 こうした症状は、胃炎や良性の潰瘍の症状によく似ているが、胃がんの場合は症状がいつの間にか良くなるということはなく、長期間続くのが特徴。

 また、がんの病巣の形によって、症状の表れる割合が違う。病巣が胃の内側に膨らんだ隆起型は50%くらいしか表れないが、粘膜がえぐれている陥凹型は、胃酸の刺激を受けやすいためか、症状が出やすく、70%近くに表れる。

 さらに、早期胃がんでも体重は減少する。体重が1カ月に2~3キロ減るようなら"危険信号"でもある。

 こうした症状が出たら、なるべく早く消化器専門医の診察を受けること。体重は1週間に1度は量って、増減をチェックする。糖尿病などでダイエット中の人で減少した場合、自然によるものか、ダイエットによるものか、よくその原因を確かめることも必要だ。

 自覚症状は必ず表れるわけではないので、40歳を過ぎたら年に1度、例えば誕生日などに胃の検査を受けることが望ましい。

1995年3月取材(記事内容は取材当時のもの)

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