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飲尿健康法は本当に体に良いのでしょうか?

 2011年11月08日 12:00

 一時期、自分の尿を飲むという健康法があったと思います。さすがに試す気にはなれないですが、本当に体に良いのでしょうか。

神児(男性 40代)

医学的や科学的な根拠は判明していません

 自分の尿を飲む健康法は、数千年前のインドや中国などでも流行したほど起源が古く、数年前に日本でも話題になりました。民間療法の1つであり、さまざまな体験談はありますが、体に良いという医学的や科学的な根拠は判明していません。

 尿は水(98%)のほか尿素、アンモニア、その他電解質といった血清と同じ成分で構成されています。また、人間の尿には、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を溶かす効果のあるウロキナーゼという酵素や、貧血の治療薬として利用されている赤血球を増やす造血ホルモンのエリスロポエチンなど、貴重な成分がごく少量含まれています。

 お薬は、尿にごく少量しか含まれていない貴重な成分を効率良く利用するために、効き目の精度を高めたり、より効果的に作用したりするように研究や開発がされています。 そのため、「貴重な成分も含まれているのなら」と気合を入れて自分の尿を飲んだとしても、これらの薬と同じ効果は期待できません。 個人的にはお勧めしない健康法です。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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