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ホウレンソウなどの天然色素でもアレルギーに―ドイツ

 2012年02月20日 10:08

 植物に含まれる緑色の色素クロロフィルに対し、アレルギー反応を起こす人もいる。スイス・ダボス高山病院のAnna Isabella Kirsch氏らは、この症例について第6回ドイツ・アレルギー学会会議で報告した。食品添加物の人工着色料がアレルゲンとなり得ることはよく知られているが、天然色素もアレルギーを引き起こし、口腔(くう)や皮膚に異常を来すことがあるとしている。

緑色が濃いほど症状強まる

 症例は、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎を有する52歳男性。最近、緑色の野菜や果物を摂取すると必ず激しい口腔症状を訴え、日光にさらされた部分の皮膚状態が悪化して呼吸困難に陥り、胃腸症状も呈するという。また、摂取する食物のうち緑色が濃いものほど、これらの症状が強いと訴えていた。

 Kirsch氏らは、まずパッチテストと光アレルギー反応の有無を調べる光パッチテストを実施した。光パッチテストでは、背中に検査する物質のエキスを付けたパッチを張り、一部(2カ所張った場合はその1カ所)だけに紫外線(UVA)を照射。照射していない部分と照射した部分の反応を比較した。リンゴ、葉菜類、ブロッコリー、チコリ、カリフラワーで検査したが、これらに対するアレルギー反応は認められなかった。

 その後、アレルゲンエキスではなく、実際の食物や食品に刺した針を直ちに患者の腕の皮膚に刺して反応を見る「プリック・プリックテスト」を実施。この検査では、青ネギ、ホウレンソウ、エンドウ豆、青リンゴ、キウイが陽性となったが、クロロフィルに対する反応は認められなかった。しかし、検査部分に紫外線を当てたところ、青ネギとクロロフィルのいずれにも強陽性を示した。これらの所見と既往歴から、Kirsch氏らは最終的にクロロフィルアレルギーとの診断を下したという。

(編集部)

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