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鼻詰まりや頭重感など起こす「鼻中隔湾曲症」

 2012年09月12日 16:14

 鼻が詰まる、頭が重い、風邪を引きやすいなどの症状が長く続くようだと「鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」のことがある。「においを感じなくなる嗅覚の異常、不眠、中耳炎などを併発して生活に支障が出るようなら、手術を受けるよう勧めます」と、東京厚生年金病院耳鼻咽喉科の和田弘太医長はアドバイスする。

成人の9割が湾曲

 鼻の穴(鼻腔=びくう)は、鼻中隔という仕切りで左右に分かれている。仕切りは縦4センチ、奥行き5~6センチ、厚さ1~3ミリほどの軟骨(顔面に近い所)と、骨(耳に近い所)から構成された薄い板状の壁だ。壁の左右は粘膜で覆われている。

 鼻中隔は年齢とともに成長するが、その際に鼻を中心とした顔面の成長と差が生じる。鼻中隔の成長の速度が速いと行き場がなくなり、鼻の中で左右どちらかに曲がってしまう。成人の9割ほどは程度の差はあるものの鼻中隔が曲がっているという。

 「生活上で支障がなければ手術の必要はありません。もし手術を受けるなら、体の成長がほぼ停止する18歳以降がよいでしょう」(和田医長)

手術は1時間ほど

 手術は顔の表面を傷つけることなく、鼻の穴の中を1.5~2センチほど切開する。メスを入れて曲がった鼻中隔の軟骨と骨を必要なだけ切り取った後、左右の粘膜を張り合わせて鼻中隔の曲がりを矯正する。

 手術は1時間ほどで終了。入院から退院までは約1週間かかり、退院1週間後で経過チェックを受ける。

 「退院後1週間は、コットンを丸めた綿球を自分で両方の鼻の穴に詰めて菌が入らないように気を付けてください。手術による傷が治るまでに1~1カ月半ほどかかります」と和田医長。退院後は、たばこの煙は鼻中隔の傷を刺激して治りが悪くなるので禁煙した方がよいという。

(編集部)

2010年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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