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子供のアデノイド肥大、口呼吸していびきをかく

 2012年12月20日 11:47

 乳幼児が口を開けて呼吸しボーッとしている、いびきがひどい、睡眠中に無呼吸がある、滲出(しんしゅつ)性中耳炎が治りにくい―などの症状があったら、アデノイド(咽頭扁桃=へんとう=)肥大が疑われる。「成長に関わることなので、一度、耳鼻咽喉科の受診を勧めます」と、千葉県こども病院耳鼻咽喉科の有本友季子医長は助言する。

体格小さい印象

 アデノイドは喉の奥の方(鼻の奥)にあるリンパ組織で、咽頭扁桃ともいう。幼少期には細菌など外界から侵入してくる異物にさらされやすい。多くは2~3歳頃から大きくなり始め、5~6歳頃にピークに達し、その後自然に小さくなっていく。なお、アデノイド肥大を「アデノイド」と呼ぶこともある。

 肥大が進むと、鼻の奥がふさがれ、呼吸がしにくくなり口呼吸になる。気道が狭くなって、いびきをかきやすくなる。幼少期には、アデノイドより下の方にある扁桃(口蓋=こうがい=扁桃、いわゆる扁桃腺)も同時に腫れてくることが多く、睡眠中はいびきだけでなく無呼吸を生じるケースもある。

 鼻呼吸がしにくいと、乳児では吸乳(母乳を飲むこと)が進まなくなる。また、幼児以降で口蓋扁桃が肥大すると、食物の塊がつかえて食事に時間がかかるため小食となり、体格が小さい印象の子供が少なくないという。

手術で呼吸が楽に

 アデノイドの近くに耳管という中耳腔(くう)につながる管が開いており、滲出性中耳炎が治りにくいといった耳への影響も生じやすい。言葉などを覚えていく大事な時期でもあるので、言語発達への影響が心配される。

 アデノイドを切除するかどうかは、年齢や症状などを考え合わせて決める。

 「耳鼻咽喉科で肥大が確認され、こうした症状がある場合は手術によるアデノイド切除を検討します。1歳前後の乳児では感染による一時的な肥大かどうかを十分検討し、積極的な消炎を図る治療を行った後に手術するかどうかを決めます。切除すると呼吸が楽になり、食事も進み、学習や運動意欲も増して見違えるように元気になるケースが多い。近隣の医師とよく相談することを勧めます」と、有本医長はアドバイスする。

(編集部)

2011年12月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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