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体に熱がたまる熱中症―目まい、筋肉痛、吐き気など

 2013年07月01日 09:03

 熱中症とは、体の中で生まれた熱を体外に逃がし切れず、熱がたまってさまざまな不具合が起きている状態。昭和大学病院(東京都)救命救急センターの三宅康史センター長は「高温多湿の時期のスポーツは、無理をしないことが重要」と注意する。

発汗で脱水状態に

 人間が活動しているときは体内で熱が作られており、温まった血液が体表近くを流れる間に、外気や風で冷まされたり汗の蒸発で熱が奪われたりして体温を調節している。ところが、気温が高い、直射日光に当たる、風がない、湿度が高い、といった環境の下では、体内の熱をうまく逃がせなくなる。大量の発汗により水分や塩分が不足すると、脱水状態になって熱を運ぶ血液量も減ってしまう。

 こうして、たまった熱そのものが心臓などの臓器にダメージを与えると同時に、流れる血液の不足によって酸素とエネルギーが供給されないことから、臓器に障害を起こして命を落とすこともある。

 三宅センター長は「蒸し暑い所にいたとき、あるいはその後で、何らかの体調不良があれば、熱中症の可能性があるので対処が必要です」と強調する。

経口補水液が効果的

 体調不良とは、目まい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、だるさなど。対処法は、涼しい部屋に運んで安静にする、衣服を緩める、冷たい水分を補給する、頭や脇の下を冷やす、といったものだが、「一人にしないで、誰かが様子を見守っていることが大切です」(三宅センター長)。

 補給する水分は塩分が入っているものがよい。スポーツドリンクでもよいが、ドラッグストアなどで売っている経口補水液の方がより効果的。梅干しあるいは食塩あめに水でも構わない。こうした対処をしても改善しない場合は、救急車を呼ぶ。点滴などの治療を施さなければ危険な状態だからだ。

 予防には、以下のことが重要となる。

  1. スポーツをする前日はアルコール飲料は飲み過ぎないなど体調を整える
  2. 当日は朝食を抜かない
  3. 水分と塩分を小まめに補給する

 アルコール飲料を飲むことが多い親睦ゴルフ、体に無理な負担を掛けたマラソン大会や野球の試合などは、熱中症のリスクが高い。やめる勇気を出すことも大切だ。

(編集部)

2012年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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