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汗で失われた塩分、積極的に取るべき?

 2013年07月10日 11:30

 夏は発汗によって塩分が失われやすいが、日常生活でかく汗の量程度なら、意識して補給する必要はないという。「日本人の平均食塩摂取量は1日10グラム以上と多く、夏でも制限した方がよいくらいです」と、国立循環器病研究センター(大阪府)高血圧・腎臓科の河野雄平部長は注意を促している。

世界的には1日5グラム未満

 熱中症の予防として水分補給と塩分の摂取が推奨されている。しかし、厚生労働省が定めている1日の食塩摂取量の目標は男性9グラム未満、女性7.5グラム未満。日本人の平均食塩摂取量は1日10グラム以上で、必要量をはるかに超えている。

 「最近では世界的に減塩の機運が高まり、世界保健機関(WHO)は5グラム未満を提唱しています」と河野部長。

 塩分の取り過ぎと高血圧の関係はよく知られるが、血圧だけでなく心臓や血管、腎臓に悪影響を与えることが分かってきた。塩分は血液の量を増やし、血圧を上げ心臓に負担をかける。心臓病を持つ人は心不全を起こす危険性が高く、同じ血圧でも塩分を多く取っている人の方が、脳卒中や心不全を起こしやすいという。

運動や労働の後は補給を

 また、取り過ぎた塩分(ナトリウム)は、腎臓を通って尿に出ていく。このときカルシウムも一緒に排泄(せつ)されることから、尿路結石ができやすくなる。カルシウムが尿に出ていくと、体のカルシウムが不足して、骨がすかすかになって骨折しやすくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を招くことも指摘されている。

 ただし、注意したいのは屋外での労働や運動により大量の汗をかいたとき。「水分とともに塩分も失います。水だけを飲むと血液中の塩分の濃度が薄まって筋肉の痙攣(けいれん)などを起こすので、そういうときは、スポーツドリンクなどで塩分を補う必要があります」と河野部長は話している。

(編集部)

2012年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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