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DHAで子供の脳を賢く育てる"新提案"―味の素

 2014年04月15日 10:30

 アジやイワシといった青魚などに多く含まれるω(オメガ)3脂肪酸が注目される中、味の素は4月2日、サイエンスセミナーを開催。ω3脂肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸(DHA)が子供の脳の発育に重要な役割を果たしている点に着目し、海外の最新の研究結果を解説するとともに、DHA入りのおやつや脳の発育を促す体操を紹介した。

子供の読む能力が向上

 DHAは、同じω3脂肪酸のα(アルファ)リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)と並ぶ必須脂肪酸の一つ。近年、国内の子供1日当たりのDHA摂取量は、欧州食品安全機関(EFSA)の推奨量250ミリグラムを大きく下回り、わずか150ミリグラム程度という。魚中心のイメージが強い日本人だが、食の欧米化がここでも影響しているとみられる。

 英オックスフォード大学社会生活・福祉学部の上級研究員で、非営利団体「Food and Behaviour Research」の取締役も務めるAlex Richardson氏は「人間の脳の60%は脂肪。重要なのはその種類」とし、DHAが「脳の成長や細胞と細胞のつながりに影響を及ぼす」と説明した。また、生涯にわたって最適な脳機能を維持するため、子供だけでなく大人にも必要不可欠と強調した。

 最新の研究結果として、Richardson氏らが2012年に発表した、正常な能力はあるものの、読み能力が比較的低い7~9歳の英国の一般学童360人を対象としたDOLAB研究を紹介。参加者をDHA入りサプリメント(栄養補助食品)と何も入っていないカプセルを摂取する2グループに分けて、16週間服用させた結果、DHA入りサプリメントのグループでは文字を読む能力が向上し、落ち着きや集中力がないなどの注意欠陥・多動性障害(ADHD)型の症状が改善、さらに睡眠時間が58分長くなるなどの変化が認められたという(「PLoS One」2012:e43909)。

不足分のDHAをおやつで

 では、魚離れが進んでいるといわれる現在、子供にどうやってDHAを摂取させればよいのか―。今回のセミナーでは、管理栄養士で料理研究家の小山浩子氏が、子供のおやつを見直すことを提案。1日当たり100ミリグラムの不足分を補うためのおやつを紹介した。

 小山氏によれば、DHAを多く含む食材は青魚ばかりとは限らず、さくらでんぶ(100グラム当たりのDHA含有量160ミリグラム)、桜エビ(同310ミリグラム)、イカそうめん(同200ミリグラム)、乾燥カタクチイワシ(同320ミリグラム)などが使えるという。

 塩分の取り過ぎにならないよう配慮は必要だが、小山氏は「幼少期に母親と一緒に作ったおやつの思い出は特別。情緒の安定など、子供の心の成長にも影響する」と、プラスアルファの利点を挙げた。

体を動かして脳の発達を

 続いて、幼児の受験指導を行うジャック幼児教育研究所の大岡史直理事が登壇。「幼児は脳の発達と運動能力と強く関係している。運動や外遊びを通じて脳を刺激し、心と体を鍛えることが重要」とし、手先の器用さや集中力などを高められるという体操を紹介した。

 両手の指を順番に折り曲げたり、右手と左手でそれぞれ別の形を作って入れ替えたりする「指折り」は、手先の器用さや思考力を養うのに適しているという。また、2人1組で行う「ドン じゃんけん」では、じゃんけんに勝った方が負けた方を追いかけるというシンプルなゲームだが、集中力や思考の瞬発力、さらに最近の子供たちに欠けているという胆力(気力や度胸)を身に付けさせる上で役立つとしている。

 なお、DHAの起源は海藻類という点に着目した味の素は4月4日、海藻由来のDHAを配合した子供向けのグミ「かしこいおやつ DHA」を新たに発売した。

(松浦 庸夫)

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